目次
女性が筋トレで効果的に筋肉をつけるには正しい方法で行うことが大切です。
女性は男性とは異なり、ホルモンの関係などから筋肉がつきにくいといわれています。筋力トレーニングを行ったとしても、筋肉がつくメカニズムに沿って効果が出やすい方法で行わないとなかなか結果を出せないかもしれません。
ただし、効果が出やすい正しいトレーニング方法で行うと、筋肉が適度についたすっきりした身体になりやすいでしょう。
筋肉がつくメカニズムとは?
筋力をアップさせるために行う運動のことを筋力トレーニングといいます。筋力トレーニングでは、筋肉に適度な負荷をかけて筋肉を鍛えることで筋力の維持や向上が期待できるでしょう。
筋力トレーニングで筋肉に大きな負担をかけると筋繊維に傷がつくといわれています。筋肉はその傷から回復するときに以前よりも強くなるとされ、その働きは超回復と呼ばれています。
超回復には48~72時間かかるとされているので、その間はオーバートレーニングになって筋肉が減少することがないように筋肉を休めなければなりません。超回復を利用して正しい筋力トレーニングを行うことで、トレーニングの効果を高めることが可能になるでしょう。
筋力トレーニングは主に「短縮性筋活動」と「伸張性筋活動」の活動から形成されているといわれます。短縮性筋活動は、物を持ち上げるときなどに筋肉が収縮する動きのことで、伸張性筋活動とは物をゆっくり降ろすときなどに筋肉が収縮する動きとされています。
筋力トレーニングでは、ダンベルなどのウエイトを持ち上げたり下げたりして筋肉に負荷を与えるなどの鍛え方に当てはめて考えると想像しやすいでしょう。筋力トレーニングを行う場合には、短縮性筋活動よりも伸張性筋活動の方がより筋力アップが期待できるといわれています。
そのため、ダンベルを降ろすときのような伸張性筋活動の動作をゆっくり丁寧に行うことが大切といえます。
筋力トレーニングでは、まずコアマッスルを鍛えることでトレーニングの効果が得やすくなるとされています。コアマッスルはインナーマッスルとも呼ばれる身体の中心にある筋肉で、姿勢を維持するなどの大切な働きがある筋肉といえるでしょう。
主なコアマッスルには、太ももを引き上げたり、姿勢を維持したりする働きがある大腰筋(だいようきん)や、上体を反らすときに使う脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)、お尻にある中臀筋(ちゅうでんきん)などがあります。コアマッスルを鍛えると体幹が安定するため、身体をしっかりと支えることが可能になるでしょう。
筋力トレーニングは、正しい姿勢で行う方が筋肉に効率よく負荷をかけることができるとされています。まずは体幹を鍛えてから正しい姿勢で様々な筋力トレーニングを行うことで、より高い効果が期待できるでしょう。
キレイな身体に整えるためには筋トレが重要です
筋肉が多い人は太りにくいといわれています。筋力トレーニングには直接脂肪を燃焼させる効果はないですが、トレーニングで筋肉がつくと「基礎代謝」がアップするとされています。
基礎代謝がアップすると安静にしているときでも多くのエネルギーが消費されるため、身体が余ったエネルギーを脂肪として溜め込むことは少なくなるでしょう。
基礎代謝とは、体温の維持や心臓の働きなどに使われるエネルギーのことといわれています。運動をしていないときにも基礎代謝によってエネルギーは消費され続けるため、基礎代謝の消費エネルギーは実際にはかなり多いといえるでしょう。
1日に消費されるエネルギーのうち基礎代謝が占める割合は約70%とされています。さらに筋肉には身体の中で体温を作る働きもあり多くのエネルギーを消費しているため、基礎代謝のうち約20%は筋肉によるものといわれています。
そのため、筋力トレーニングを行って筋肉を増やすことで、エネルギーが消費されて太りにくくキレイな身体を維持しやすくなるでしょう。
「アフターバーンエフェクト」は、筋肉に高い負荷を与える筋力トレーニングなどを行った後に起きる現象とされています。アフターバーンエフェクトは「運動後過剰酸素消費量」と呼ばれていて、カロリー消費量がアップするためダイエット効果も期待できるでしょう。
筋力トレーニングで高い強度の運動を行った後には、運動エネルギーを作り出すための酸素が身体に大量に残ったままの状態になっているといえます。そして体内に酸素が大量に残っていると、その酸素を消費するために通常よりもエネルギー消費量が多くなった状態が長く続くことになるでしょう。
この現象がアフターバーンエフェクトとされ、人によって異なりますがエネルギー消費量の増加率は6~15%程度になると考えられています。さらにこのアフターバーンエフェクトによるエネルギー消費の増加は、約10~72時間の間持続するといわれ、筋力トレーニングには運動後にも体型維持のための重要な働きが期待できるといえるでしょう。
効果が出るまでには最低2ヶ月ほどの期間が必要とされています
筋力トレーニングは、始めてから効果が出るまでに最低でも2ヶ月の期間が必要とされています。ただし、1回1時間の筋力トレーニングを週に1回行う場合には体型を維持する程度の効果は期待できるのですが、スタイルに変化が生じるほどの効果を得ることは難しいかもしれません。
美しいスタイル作りのためには、週2回以上の筋力トレーニングを継続する必要があるでしょう。
週2回以上のトレーニングを2ヶ月間続けていると、筋力が大きく向上するといわれています。
それまでに使用していたダンベルを重い負荷のものに変えるなど、より強度の高いトレーニングに取り組むことができるようになるでしょう。ただし、はっきりと違いがわかるような身体の変化はそれほど期待できないといえます。
2ヶ月で生じる変化は、少しずつ体重や体脂肪が減少し、これまでについた筋肉でさらに高い負荷の筋力トレーニングを行うことが可能になることでしょう。
筋力トレーニング開始から3ヶ月になると、気になっていたウエストや二の腕などが引き締まっていることがはっきりわかるようになるといわれています。
筋力トレーニングを頑張って続けているのに2ヶ月経っても3ヶ月経っても変化が見られないという場合には、トレーニングのやり方に問題があるかもしれません。トレーニングの負荷が足りない場合やフォームが歪んでいる場合には、しっかりと筋肉が鍛えられていないので、効果が出にくいといえます。
また、筋力トレーニングを行っていても、高カロリーのものばかり食べていると体重や体脂肪の減少は難しいかもしれません。正しい方法での筋力トレーニングとバランスの良い食事で、効率よくスタイルアップを目指すことができるでしょう。
初心者におすすめの筋トレをご紹介します
筋力トレーニングは、筋肉を休めるための休養日を挟んで行いましょう。身体を引き締めたいときには、休養日が最低でも週2回以上、トレーニングを週3~4回程度行うのがおすすめです。
トレーニングは10~30回を1~3セットずつ行いましょう。つらいと感じる程度の負荷をかけることが大切なので、まずは10回から始めて筋力がついてきたら徐々に回数やセット数を増やしてください。
筋力トレーニングでは、最初に大きな筋肉を鍛えると効率がいいといわれています。大きい筋肉には、主に下半身や胸、背中などの筋肉があり、とくに太ももとお尻の筋肉は全身の筋肉の50%を占めるとされています。
これらの筋肉を鍛えると、基礎代謝が上がりやすくなるなどの大きな効果が期待できるでしょう。また、筋肉がつき体幹がしっかりしてくると正しい姿勢を維持できるようになるため、トレーニングのフォームが良くなるとされています。
筋力トレーニングは正しいフォームで鍛えたい筋肉を意識しながら行うことが重要です。目的の筋肉が使われていることを意識しながら、適度な負荷をかけてトレーニングを行いましょう。
初心者にもおすすめの筋力トレーニングは以下の通りです。
- 肩幅より少し広い位置に足を開いて立ちます
- 息を吸いながら、背筋を伸ばして太ももが床と平行になるまで膝を曲げます
- 息を吐きながら膝を伸ばして立ちます
※10回行います
- 両手と膝をついて四つんばいになります
- 息を吐きながら右足をゆっくり後ろにけり上げます
- 息を吸いながら右足を戻して、右と同様に左足をけり上げます
※左右約10回ずつ行います
- 膝が90度位に曲がる高さの椅子に座ります
- 息を吐きながらつま先を天井に向けるようにゆっくりと右足を伸ばします
- 息を吸いながらゆっくりと右脚を下げます
- 左足も同様に行います
※左右約10回ずつ行います
- うつ伏せになり、膝をつけたまま上体を起こします
- 手を肩よりも少し外側につきます
- 息を吐きながら上体が床につくギリギリまで肘を曲げます
- 息を吐きながら肘を伸ばして上体を上げます
※10回行います
筋トレの効率アップには食事に気をつけることも大切です
さらに効率よく筋力トレーニングの効果を得たいという場合には、普段の食事にも注意したいポイントがあります。筋肉を鍛えてキレイな身体に整えるためには、筋力トレーニング後に筋肉を作る材料となる栄養素を摂ることが大切です。
そしてトレーニング前には運動に必要なエネルギーが必要とされるなど、筋力トレーニング前後の食事はとても重要といえるでしょう。
筋力トレーニングでは、体内のグリコーゲン(糖)がエネルギーとして使用されます。空腹時には体内のグリコーゲン量が低下しているため、空腹のまま筋力トレーニングを行うと筋肉をうまく動かせないかもしれません。
筋肉をしっかり動かせない場合には、運動効率が悪くなったりケガをしたりする恐れがあります。空腹の場合には、おにぎりやバナナなどの食べ物で軽く糖質を補給してからトレーニングを行いましょう。
また、満腹状態でも充分なトレーニングを行うことは難しく、激しい筋力トレーニングを行うと具合が悪くなる場合もあるかもしれません。食事後すぐにはトレーニングを行わないようにしましょう。
筋力トレーニングの後は、筋肉の回復に必要なタンパク質やビタミン、糖質などを多く含む食事を摂る必要があります。筋力トレーニングの直後は、栄養を吸収しやすい状態になっているため、筋力アップのための食事は運動後30分以内にとることが理想的といえます。
ただし、脂質を多く含む食事を運動後すぐに食べると、カロリーの摂り過ぎになり運動で消費したカロリーが無駄になってしまうでしょう。筋肉を作るための栄養を中心に、バランスの良い食事をするよう食事の内容に注意することが大切です。
筋力トレーニングには注意する点もあります
様々なメリットがある筋力トレーニングですが、筋力トレーニングは筋肉に大きな負荷をかける運動といえます。そのため、トレーニングのやり方に気をつけないと、筋肉を傷めたり、体調を崩したりする恐れがあるとされています。
筋力トレーニングを行う際に気をつけないといけないことには、姿勢や呼吸などがあげられるでしょう。筋力トレーニングを安全に効率よく行うためには、注意しなければならない点もあります。
筋力トレーニングは、正しい姿勢で行うことが大切とされています。背筋が曲がっていたり両肩の高さが違っていたりと身体のバランスが崩れたまま筋力トレーニングを行うと、筋肉に無理な負荷がかかり筋肉を痛めてしまう場合もあります。
まず姿勢に歪みがないかを鏡などでチェックし、さらに正しい姿勢を意識しながら筋力トレーニングを行いましょう。
そして筋力トレーニングの時には、呼吸を止めないことも大切といえます。ダンベルを上げるなど力をいれるときには、体幹が安定して力を入れやすくなるため自然と呼吸を止めてしまう人もいるかもしれません。
ところが、筋力トレーニングの時に息を止めてしまうと、力を入れたときに急激に血圧が上がるといわれています。そして力を抜いた後には血圧が急激に低下するため、血管に大きな負担がかかる恐れがあります。
血圧の急激な上昇を避けるためには、筋力トレーニングで筋肉に力を入れる時に息を吐くようにしましょう。力を入れる時には長く息を吐き、力を抜いた時に息を吸うことで、力が入りやすくなり、心臓や血管に負担がかかりにくくなることが期待できます。
筋肉は年齢が上がるとともに減少するといわれています。年齢が上がると筋肉が衰え徐々に減少していくため、基礎代謝が低下して太りやすい身体になるとされています。
基礎代謝が下がって太りやすくなることを防ぐためには、早めに筋力トレーニングを日常生活に取り入れる必要があるでしょう。とくに女性は15歳くらいから基礎代謝が低下するとされています。
基礎代謝の低下はお腹周りや腕などに脂肪がつく体型の崩れや、内臓脂肪の増加による生活習慣病の原因になる場合があります。筋力トレーニングは継続する必要があるため、年々減少していく筋肉の維持と強化のために、早くから効果が出るトレーニングを行う習慣をつけることが大切でしょう。
(まとめ)女性が筋トレで効果を出すには?
女性は男性よりも筋肉がつきにくいといわれています。そのため筋力トレーニングを行った場合でも、筋肉のメカニズムに基づいた正しい方法で行われていないと十分な効果が期待できない場合があります。
筋力トレーニングで筋肉に負荷をかけると筋繊維が傷つき、その傷が治るときに以前よりも筋肉が強くなるといわれています。ただし、超回復と呼ばれる回復期間に筋肉を休めないと、かえって筋肉が減少する場合もあります。
筋力トレーニングでは、筋肉増強による基礎代謝のアップや運動後のアフターバーンエフェクトによるカロリー消費が期待できるでしょう。筋力トレーニングでカロリーを消費することが、キレイな身体に整えることにつながります。
筋力トレーニングは、効果が出るまでに最低2ヶ月間は必要といわれています。3ヶ月継続すると効果がはっきりと現れ始めるのですが、筋力トレーニングのやり方が間違っていたり、栄養バランスの悪い食事をとっていると効果が出にくい場合があります。
筋力トレーニングはできれば週2回以上行い、大きな筋肉から鍛えるとトレーニング効率が上がるとされています。大きな筋肉には太ももやヒップなどの下半身や、お腹や胸などの筋肉があります。
適度な負荷をかけながら筋肉を意識して鍛えるようにしましょう。
効率よく筋肉をつけるためには、筋力トレーニング前に適度な栄養を摂取する必要があるでしょう。また、トレーニング後には傷ついた筋肉の回復に必要な栄養を摂ることが重要です。
筋力トレーニングには様々なメリットがありますが、正しい方法で行わないと逆に筋肉を傷めたり、心臓への負担をかけたりする場合もあります。また、継続することで効果が期待できるため、正しく行う習慣にすることが大切でしょう。