腰痛とお腹のガス溜まり

腰痛の原因はさまざまで、原因が分からないこともよくあるものです。原因不明の鈍い腰痛が続いている場合に、お腹のガス溜まりが原因になっている場合があります。ガス溜まりが腰痛を引き起こす仕組みとガス溜まりの予防方法についてご紹介します。

ガス溜まりはどうして起こるの?

お腹にガスが溜まって苦しくなってしまう「ガス溜まり」は、どのようなことが原因になっているのでしょうか。

ガスを摂りすぎておこる、お腹のガス溜まり

上手にガスを排出できても、体内に入るガスが多すぎるとお腹にガスがたまってしまうことがあります。具体的には、ビールや炭酸飲料なども飲みすぎると身体にガスがたまる原因になります。また、空気嚥下症、噛みしめ呑気症候群ともよばれる、本人の意思とは関係なく空気を飲み込んでしまい胃や腸が空気でいっぱいになる病気もあります。ストレスなどで歯を「噛みしめ」ていると、喉の奥に空気や唾液が溜まりやすくなり、たまった唾液を飲み込むときに空気も一緒に飲み込んでしまい、胃に空気が溜まっていくのです。歯を噛みしめることが癖になっていたり、ストレスやパソコン操作などのうつむき加減の姿勢が原因になったりもします。

腸の中でガスが発生する

体内でのガスが異常に多く発生してしまうこともあります。例えば便秘になると排泄するはずの便がいつまでも腸内にあることで、腸内の環境が悪くなりさらに排泄が滞るという悪循環に陥ります。この悪循環に陥ると、直腸を便が塞いでしまいガスの通り道が狭くなるうえに、腸の排泄を促す動きも低下してしまうので、ガスをうまく排泄できないという状況にもなります。刺激物の多い食事や強いストレスは、便秘の悪循環を誘発する原因となりますが、便通に良いイメージのある食物繊維の摂りすぎもガスがたまる原因となります。食物線維は消化に時間がかかるため、たくさん摂りすぎてしまうと腸の中の滞在時間が長くなりガスが発生しやすくなるのです。

ガスがうまく排出できない

食べ物や飲み物と一緒に空気を飲み込んでいたり、食べ物を摂取して消化吸収してから排泄するまでの過程でガスが発生したりしてお腹の中にガスがたまります。通常、飲み込んだり、お腹で発生したりしたガスは「げっぷ」や「おなら」として排気されます。お腹にガスがたまっても胃腸に異常がなく、働きがスムーズであれば、過剰にガスがお腹に残ることはありません。しかし、胃腸の動きが悪くなりガスを排出する機能が衰えたり、直腸や肛門などガスの排出口近くが狭くなってしまったりしている場合には、ガスがお腹にたまってしまうのです。

お腹にガスが溜まると腰痛の原因になることも

お腹にガスが溜まると苦しくなりますが、短時間でよくなりその後繰り返さない場合にはあまり心配はありません。しかし慢性的にガスが溜まっている状況では、お腹だけでなく全身にさまざまな症状を引き起こします。腰痛もその症状のひとつです。なぜ、ガスが溜まることで痛みが生じ、腰痛などお腹以外の部位にも影響を及ぼすのでしょう。

ガスがたまるとなぜ痛みが起こるの?

お腹にガスがたくさん溜まってしまうと、お腹の張りが強くなり「腹部膨満感」といわれる、お腹が腫れて苦しい状態になります。この膨満感が長く続くと腹痛や息苦しさを感じます。腸にガスが溜まることで、胃に入ったものが腸に進みにくくなり、食欲がなくなります。また、ガスが溜まって膨れた大腸が周囲の血管を圧迫するので、血流が悪くなり、足がむくんでしまったり、尿の量が減ったりすることがあります。このような身体の変化が、またストレスとなり腹部へも影響し、腹痛を感じやすくなります。激しい腹痛や横になれないほどの息苦しさがあったり、急激に膨満感が現れてお腹がパンパンに張っていたりする場合には速やかに受診が必要です。

ガスがたまると腰痛になる理由

便秘になりお腹にガスが溜まると、ガスが腸壁を圧迫し「お腹が張っている」という自覚症状が出ます。ガスで拡張した腸管は周りの組織を圧迫して、さらに神経も圧迫します。そのため腰痛を感じるようになるのです。特に高齢者ではガスが溜まると腰痛を訴える人が散見されます。ただし、腰痛は尿管結石や腎盂腎炎、急性膵炎、大動脈解離、子宮筋腫、大腸がんなどの他の臓器の病気が原因でも起こることがあります。「ガス溜まりからくる腰痛」と決めつけず、他の病気の症状でないことを確認することが大切です。

ガス溜まりを防ぐために気を付けたいこと

腹痛だけでなく腰痛の原因にもなってしまう辛いガス溜まりを防ぐためには、ちょっとした生活習慣の改善をすることが有効です。

腸にやさしい食事をとり、腸に負担がかかる食事は控える

ガス溜まりを防ぐためには、まず腸内環境を整えることが大切です。揚げ物やジャンクフード、冷たい飲み物などは腸に負担をかけてしまうので控えるようにしましょう。また、腸内細菌には「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」があります。ビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌は消化吸収を促進してくれます。ブドウ球菌・大腸菌などの悪玉菌はからだに悪い影響を及ぼします。日和見菌は普段はおとなしくしていて身体が弱った際に腸内で悪さをする菌です。乳酸菌などが含まれるヨーグルトや、納豆やキムチなどの発酵食品などは腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を整えてくれます。また、常温または温かい飲食物は腸にやさしいといえるでしょう。ガス溜まりを防ぐためには、腸内環境に良い食べものや飲み物は積極的にとるようにしましょう。

睡眠時間や運動などの生活習慣を見直す

いつもより忙しかったり、遅くまで寝ていたりした朝、排便のタイミングを逃してしまったという体験がある方も多いのではないでしょうか。生活のリズムが不規則だと便秘をしやすくなります。また、睡眠不足は心身の至る部位に悪影響を及ぼします。睡眠や休息がしっかり取れていない過労の状態、過度なストレスがある場合にも腸の働きが低下し便秘をしやすくなります。反対に、運動不足も腸の働きが落ちる原因になります。同じ姿勢を続けていると腸の動きが鈍り、ガスが溜まりやすくなります。十分な睡眠と休息をとり、規則正しい生活を送ることが基本ですが、ウォーキングやストレッチ体操などの運動を日課にすることもガス溜まりの解消に役立ちます。歯の噛みしめが原因でガス溜まりになっている人は、リラックスするように心がけ、意識的に歯の噛みしめをやめるようにすることで改善することができます。このような生活習慣の改善は、ガス溜まりの予防だけでなく体全体の調子をよくすることにもつながりますのでぜひ試してみてください。

ガスが溜まってしまったら

生活習慣に気を付けてもなかなかガス溜まりがよくならないと慢性的な症状だけに放っておいてしまいやすいものです。いざ受診しようと思っても、どのタイミングでどの医療機関に受診したらよいのか迷ってしまうこともあるかもしれません。ガス溜まりは、どんな状況でどの医療機関に受診したらよいのでしょうか。

ガス溜まりによる痛みの治療法と診療科

ガス溜まりが軽減されない場合や、お腹がパンパンに張った状態で腹痛が続く場合は、医療機関の受診も考えましょう。ガス溜まりで病院に行く際は消化器内科が専門科になります。また、クリニックなどを受診する際にも消化器内科を選ぶとよいでしょう。しかし、他の病気でかかりつけの内科がある場合には、主治医に相談してみることをおすすめします。問診や触診を受けて、特別な病気が疑われない場合は、検査を行うよりもまずは生活の見直しや、お腹の調子を整える薬を内服して様子を見ることもあります。ガス溜まりの原因となっている病気が見つかれば、まず、その原因疾患の治療を行います。対処療法として、お腹にたまったガスを排出させるための薬もありますので、必要に応じて薬剤師や医師に相談してみてください。

ガス溜まりの原因になる病気

ガス溜まりの原因になる病気には「過敏性腸症候群」「胃潰瘍」「十二指腸潰瘍」「大腸がん」などがあります。中でも、過敏性腸症候群はガスだまりを起こしやすい病気です。他にも下痢、便秘などの症状があり、ストレスが大きな原因だと考えられています。胃潰瘍は、激しい痛みが特徴です。十二指腸潰瘍は、みぞおちが少し痛む程度なので発見が遅れてしまうことがあります。胃や十二指腸の潰瘍になると食べ物の消化がうまく行われないので、ガスが発生しやすくなります。食欲がなく、それほど食べてないのにお腹がパンパンに張るようなことがあるのであれば大腸がんも疑う必要があります。いずれにせよ、ガス溜まりが長引く時には受診することをおすすめします。激しい腹痛や横になれないほどの息苦しさがあったり、急激に膨満感が現れてお腹がパンパンに張っていたりする場合には速やかな受診が必要です。

ガス溜まりは大腸にガスが溜まってしまう症状で、腰痛の原因になることもあります。ガスをうまく排泄できなかったり、腸内環境が悪いことで大腸の中にガスがたくさん発生してしまったりして起こりますが、空気を飲み込みすぎても起きることがあります。ストレスや生活習慣が大きく影響する症状ですが、中には病気が原因となっているものもありますので、激しい腹痛や息苦しさ、長引くお腹のハリがある場合には受診が必要です。

※本記事は情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、腰痛改善運営会社及び監修医などの専門家は責任を負いません。

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