Vol.4 ~診断後のヨガの効果

ヨガの効果

ヨガクラス

最近ではがん患者に対するヨガの効果についての研究が行われ、ヨガでいろんな症状が軽減されるなどの様々なエビデンスが出てき始めています。

▪ストレス低減

「MDアンダーソンがんセンターの研究論文」
乳がんで放射線治療を受けている早期がんからステージ3までの平均年齢52歳の女性患者163人を対象。

―グループ分け―
・ヨガを行うグループ
・ストレッチ運動を行うグループ
・何も指示をしないグループ
※これらのグループを無作為に分けた

ヨガとストレッチ⇒6週間の放射線治療期間中に週3回、1回1時間ずつ実施

健康、生活の質について各グループから報告。心機能、ストレスホルモン量の検査も実施。
放射線治療後1か月、3か月、6か月の3回

―結果―
ヨガとストレッチを行ったグループは運動をしなかったグループよりも倦怠感の報告が少なかった。さらに、ヨガのグループは「身体機能や健康全般に良い効果があった」と感じた人が多く、がんの体験から「前向きな変化」を受け取った人が多かった。
さらにヨガのグループは、終日にわたってコルチゾールの量が大幅に減少し、「ヨガがストレスホルモンを抑制する効果があることが示唆された」という。
論文では「終日にわたってストレスホルモンのレベルが高い状態は、乳がんの進行と関連づけられている」ことから、このヨガの効果は重要だと結論している。

▪関節痛やホットフラッシュ

ホルモン療法を受けている乳がんの方に対して、副作用で起きる関節痛やホットフラッシュが改善したとの報告がある。

▪睡眠障害

寝つき、睡眠時間、睡眠の質が改善した、睡眠薬の使用を減らすことができたという報告もある。

▪不安・抑うつ

アーサナのほかに瞑想や呼吸法を取り入れた臨床試験で、がん治療中に起こる不安、抑うつを改善させる可能性を示した。ただし、軽度から中等度のうつ状態の人に対しては有効だが、さらに進んだうつ病に対しての有効性については不明だという。

▪倦怠感や炎症

200名の女性の乳がんの方で試験。わずか3カ月間でもヨガの実践をすることで倦怠感が緩和され、炎症が軽減される可能性があると、とある研究で報告。ヨガをしなかったグループより倦怠感が平均57%少なく、炎症は最大20%軽減した。

▪QOL(生活の質)

身体的、機能的、感情的、社会的などの健やかさにおいて、ヨガで改善(特に社会的機能面)が見られQOLの低下に対して緩衝作用があるという報告がある。

最後に

ヨガクラス

最近ではヨガはがんの補完統合医療の一つとしても扱われるようになり日本での臨床研究も少しずつ行われるようになってきました。ヨガでがんを治すということではなく、診断後の心理的苦痛や肉体的苦痛を緩和し、より快適に日常を過ごしていくための助けになります。
ぜひ活かしてみてくださいね!

ヨガインストラクターNagisa
Nagisa
ヨガインストラクター

昔から薬などには頼らない家庭環境で育った為、できる限り自然治癒力を活かして治したく、ヨガを通じて少しでも心身の健康に導くサポートに関わりたいと思い今に至ります。
数年前に乳がんに罹患しましたが、ヨガのアーサナやマインドフルネスが肉体的にも精神的にも助けになったと感じています。 治療法は人によって多種多様ではありますが、ヨガをリハビリとして取り入れながら日常を快適に過ごせるようQOL(生活の質)を向上させていくお手伝いが出来ればと思っております。
  • ■Yoga Works200時間指導者養成講座修了(全米ヨガアライアンスRYT200)
  • ■Yoga Works300時間指導者養成講座修了(全米ヨガアライアンスRYT500)
  • ■Chuck Miller 18時間ホリスティックプラクティス修了
  • ■Yoga Tune Up® Therapy Ball Training Level1 修了
  • ■y4c(yoga4cancer)養成コース修了
  • ■YBR®ヤムナボディーローリング® Phase 1&2 修了
  • ■Tsuji式PNFテクニックベーシック取得