「乳がん」という言葉、最近耳にする機会が増えたように感じます。
TVでも有名人の方が乳がんになったというニュースを目にすることが増えました。
乳がんは女性のがんの中では最も多いがんで、稀に男性が発症することもあります。
先日、「最新がん統計」が2017年罹患情報に更新され、日本人女性が乳がんに罹患する確率は9人に1人(10.6%)という結果が出ました。
50年前は50人に1人だったので、そう考えると結構身近な病気になったと感じます。
けれども、早期発見と治療をすれば治りやすい病気でもあります。
比較的若い人で罹患する方も多く、乳がんの最初のピークは40代後半に、その後60代前半に多い病気です。まだ働き盛りだったり、子育てに励んでいたりする時期なので生活へのインパクトが大きいです。
乳がんの治療法は主に【手術、放射線治療、薬物療法】を組み合わせて行いますが、身体面以外でも罹患した精神的なショックや、治療によるストレス、家族や友人、職場との関係性など、心理的や社会的な問題などもあります。
▪「乳房部分切除術(乳房温存手術)」・・・乳房の一部を切除。手術後、放射線照射を行い再発を防ぐ。
▪「乳房全切除術」・・・乳房すべてを切除する。
▪「センチネルリンパ節生検」・・・乳房内から最初にたどり着くリンパ節。そこに転移があるかどうか手術中に一部を採取して検査する。これにより腋窩リンパ節を郭清するかどうかを決める。
▪「腋窩リンパ節郭清」・・・手術前の触診や画像診断、手術中のセンチネルリンパ節生検などで腋窩(わきの下)リンパ節にがんが転移していると診断された場合は、腋窩リンパ節郭清(リンパ節を切除する手術)を行う。切除する範囲やリンパ節の数は、転移の範囲によって決まる。
▪「乳房の再建」・・・乳房を切除した後に自家組織(自分のおなかや背中などから採取した組織)やシリコンなどの人工物を用いて、新たに乳房をつくること。
▪がんに高エネルギーのX線を照射することで、がん細胞を死滅させたり小さくしたりする治療法。1日1回、週5回で約4〜6週間かけて照射するのが一般的。
▪ホルモン療法薬、分子標的薬、抗がん薬がある。
薬物療法には、「再発の危険性を下げる(術前薬物療法・術後薬物療法)」、「手術前にがんを小さくする(術前薬物療法)」、「手術が困難な進行がんや再発に対して延命や症状を緩和する」などの目的があり、病期(ステージ)、リスクなどに応じて行われる。
治療はがんの進行程度のほかに、体の状態や年齢、本人の希望などを含めて、担当医師と相談しながら決めていきます。
それぞれに様々な副作用や後遺症がありますが、いくつかの研究データでも乳がん患者さんの身体活動量は多いほうが死亡率や再発率は低くなるという結果を発表しています。動かさないことにより身体が動かしづらくなることもありますし、なにより精神的なバランスも崩れやすいため、生活の質(Quality of Life(QOL))を維持していくためにも、ヨガは取り入れやすくお勧めです。
『Vol.2 ~QOLを維持するために』に続きます。