乳がんとヨガ Vol.2 ~QOLを維持するために

乳がんとヨガ連載2回目の今回は、乳がんへの疑問や悩みにお答えしていきます。

乳がんとヨガ Vol.2 ~QOLを維持するために

Q.食生活や生活習慣はリスクを高める?

アルコールは摂りすぎるほどリスクは高まります。よく大豆や乳製品は発症リスクを高めるのでは?という声も聞かれますが、こちらはむしろ低くなるという結果が出ています。 また、生活習慣において糖尿病や肥満や喫煙は発症リスクを高めます。ちなみにストレスに関してはまだ結論が出ていないそうです。

Q.手術後にヨガはできる?

手術後はどこまで動かしたらいいかなと不安になる方も多いかと思います。創部がつっぱる感じがあったり、だるかったり・・・
しかし腕や肩を動かさないと、その後の後遺症として肩回りの動きの制限がかかってきたり創のあとが癒着し始めたりします。医師や医療スタッフに相談しながら徐々に動かしていきましょう。腋窩リンパ節を郭清した人でもリハビリは手術の翌日から7日前後に開始します。1~2か月ほど経てば軽い運動もできるようになってきますので徐々に始めていきましょう。今はがんサバイバー向けのヨガクラスも数多く存在しますので、そこから始めてもいいかもしれません。

私たちもがん経験者のためのヨガクラスを行なっております。最近ではオンラインでも開始しスタジオに来れないという方でも参加しやすいようになっています。ぜひお気軽にご参加ください。

ヨガクラス

Q.転移したあと運動してもいい?

今まで二次性の乳がん患者は運動を控えるべきだと考えられてきましたが、必ずしも安静にすることが最善の策ではないということが広まってきています。10分くらいの短い時間でも簡単な動きで楽しく取り組めるような動きで、安全を確保しながら少しずつ行なっていくことができます。

乳がんの主な転移箇所は、骨、肺、肝、脳です。
骨転移は骨折の可能性があるため、転倒の危険性が少ない動きを選び、ねじりや背骨を曲げる、伸ばすなどの極端な動きはせずに負荷の少ない動きで取り入れていきます。それにより骨の強化や痛みの緩和が期待できます。
めまいやふらつき、倦怠感がある場合は、立位やバランスポーズは慎重に行なっていきましょう。息切れや食欲不振、疲れやすさなどの緩和も期待できます。

あまり動く気になれない時は呼吸を観察してみるだけでもいいと思います。
不快な症状が出てきたら無理をせず、体の状態を観察しながら行いましょう。
症状は人によって様々なので、まずは医師と相談してみましょう。

『乳がんとヨガ Vol.3 ~ヨガとは?』に続きます

ヨガインストラクターNagisa
Nagisa
ヨガインストラクター

昔から薬などには頼らない家庭環境で育った為、できる限り自然治癒力を活かして治したく、ヨガを通じて少しでも心身の健康に導くサポートに関わりたいと思い今に至ります。
数年前に乳がんに罹患しましたが、ヨガのアーサナやマインドフルネスが肉体的にも精神的にも助けになったと感じています。 治療法は人によって多種多様ではありますが、ヨガをリハビリとして取り入れながら日常を快適に過ごせるようQOL(生活の質)を向上させていくお手伝いが出来ればと思っております。
  • ■Yoga Works200時間指導者養成講座修了(全米ヨガアライアンスRYT200)
  • ■Yoga Works300時間指導者養成講座修了(全米ヨガアライアンスRYT500)
  • ■Chuck Miller 18時間ホリスティックプラクティス修了
  • ■Yoga Tune Up® Therapy Ball Training Level1 修了
  • ■y4c(yoga4cancer)養成コース修了
  • ■YBR®ヤムナボディーローリング® Phase 1&2 修了
  • ■Tsuji式PNFテクニックベーシック取得