ngumiti 蔵前 関根大地さんの朝
「心惹かれたのは、ブランド品でも、海外旅行でもなく、日本の手仕事だった」|ngumiti 蔵前・関根さんの静かな朝

ーー「心惹かれたのは、ブランド品でも、海外旅行でもなく、日本の手仕事だった」。30人の作家が生み出した、日々をそっと支える道具が並ぶ ngumiti 蔵前。代表・関根大地さんが感じる、手仕事の心地良さ
2024年2月にオープンした「ngumiti 蔵前」には、代表・関根大地さんが手仕事に強く惹かれるきっかけともなった山葡萄かごをはじめ、常時20〜30人の作家が生み出した、暮らしに優しく、時に心強く寄り添ってくれる道具が並びます。
企画展やワークショップを定期的に開催しているのは、雑貨屋という括りではなく“人が集まり考えて、手や口を動かす、段々と点が集まり、新たな目線や繋がりを生み出す場所”でありたいという想いから。
手間隙をかけるからこそ宿る、物の価値、作り手の想い。作家を訪ね、現地で感じとることを何よりも大切にしている関根さんが思う、物の価値、そしてngumiti蔵前という場所の役目について伺いました。

「何より、手仕事で生み出されるものにお金を費やしたいと思った」
関根さんが手仕事に興味を持つようになったきっかけは、社会人1年目の頃に参加した山葡萄かごのワークショップ。
当時は責任者として忙しく働き、プライベートの時間もなかなか取れない。その一方、お金だけは貯まっていく。同世代の人たちが海外旅行やブランド品にお金を使うのを見ながら、自分は何にお金を使いたいのだろうと考えるようになったそうです。
「暮らしに寄り添うものづくりをする作家さんと、じっくり話してみたい。聞きたいことがたくさんある。その興味に身を任せてみたんです」

参加したワークショップは、2日間かけて山葡萄かごを作るというもの。素材を生産し、加工を行い、形にする。ひとつのものをつくるためには、たくさんの人の手と、数えきれない工程があることを身をもって知ったときに、今に繋がる気づきがありました。
「“ものの価値とは何だろう”と、立ち返ったと言いますか。結局、作り手の思いを感じられることが、自分の暮らしを幸せにしたり、心地よくしてくれたりするんだということに気がついたんです」

金継ぎにダーニング、縁で広がる様々なワークショップ
ngumiti 蔵前がオープンした2024年2月から、代表としてお店を運営するようになったのも、このワークショップがきっかけの一つでした。
「鎌倉にあるアトリエ「喜利具」の山葡萄かご職人・高井鉄郎さんのパートナー、高井留美子さんが「喜利具」のショールームを兼ねたngumiti 蔵前の発起人なのですが、その際、すぐにお声がけいただいたんです」

現在はショールームとしてだけではなく、さまざまな作家の作品を扱いながら、定期的な企画展やワークショップを開催しています。
「オープン当初から、月1回のペースで 山葡萄かごを製作するワークショップを行っていたら、作家の方たちとのご縁が広がって。今では金継ぎやダーニングなど、テーマを変えながら幅広くワークショップを開催できるまでになりました」

作家と話し、想いを綴る、伝える。ものの価値を知ってもらうため、まずは自身が知ることから
「自分たちで足を運んで、作家さんと会話することが一番大切だと思っているんです。単にものを並べて紹介する、それだけでは魅力や価値は伝わりにくい。どのような素材、工程、想いが反映されて目に写る形となったのかを含めて届けたいという気持ちが強くあるので、可能な限り、実際にお会いすることを心がけています」
それは、関根さん自身が考える「良いもの」という価値観にも通じる想いがありました。

「時間をかけて関係性が育っていくものや、見た目だけでなく背景も含めて感情を抱けたり。さらに言えば、自分と一緒に成長できるものとか、時とともに変化があるものには惹かれますね」
ngumiti 蔵前という場所自体も、ゆっくりと時間をかけて、皆が心地良い場所に育ちつつあります。
「単に雑貨屋、ではなくワークショップもやりますし、企画展もある。時には音楽ライブが始まることもある。ふらっと立ち寄っていただければ何かを学べる場所といいますか。今は無理に言語化しないほうが、いいかなと思ってます」

「この場所に立てていること」が幸せ
「幸せの定義はすごく難しいとは思うのですが、ここを軸と考えたときの幸せは、やはり足を運んで下さるお客様、関わり続けて下さる作家さん、そして自分自身が、ngumiti蔵前を介して繋がっていると感じられていることでしょうか。私も含めて関わる方たちが豊かになっていると思っていて、そう感じられる場所に立てていることが幸せですね」



