【後篇】建築士・笠井沙織さんにとっての、豊かさ
【後篇動画】築100年・古民家暮らし8年目|土鍋ごはんに、畑の野菜を使った和の夕食。夜は灯りを消して、家族4人で団らん。建築士・笠井沙織さんにとっての、豊かさ

窓を開けると、目の前が幹線道路。そんな都内のマンションから四季を感じる郊外の古民家へと暮らしの拠点を移した、建築士・インテリアデザイナーの笠井沙織さん。青梅市にある築100年の古民家に家族4人で住み始めてから約8年、少しずつ自分達の想いを形にしながら日々を過ごしています。
後篇の動画では心地良い時間が流れる古民家での生活を映しながら、家族が自然と集まるダイニングをはじめ、思い描く家のありかたについてお聞きしました。動画も「しあわせのカタチ」公式YouTubeからご覧ください。

古民家で生まれる、家族の時間
築100年の古民家で心地良く流れていく時間。
それは、古民家に住むことがゴールではなく、少しずつ手を加え、心地のいい空間を作り出してきたからこその時間でもあります。中でも、沙織さんがこだわったのはキッチン。

「キッチンは元々、北側の暗い場所にありました。ただ、家の中心にキッチンがある生活を送りたくて、綺麗な日差しが差し込む東側へ移すことに。今では家族4人が自然と集まる場所となっています」
沙織さんがこの生活でもう一つ大切にしていることは、「らしさ」にこだわらないこと。自分が好きだと思うものに形を変えたり、選んだりすることを楽しめることが心地よさに繋がるといいます。

それぞれの時間に寄り添ってくれるダイニング
ダイニングの主役であるテーブルは、古道具屋で出会ったもの。
「新品のキラキラした感じよりも、この家の雰囲気に合わせたいと思って迎えることにしました。今では家族4人が自然と集まる場所になりました」
子どもたちは宿題をしたり、絵を描いたり。ときには、そのまま遊び場になることもあります。

沙織さん自身も、このテーブルで過ごす時間が多いそうで、仕事をしたり、本を読んだり、ご主人とともに淹れたてのコーヒーで一息ついたりするそうです。
家族それぞれが思い思いに過ごしながら、気づけば同じ場所に集まっている。このテーブルは、そんな時間が重なる場所になっています。この日の夜ごはんは、土鍋で炊いたご飯にキャベツの味噌汁、庭で採れたサラダ菜のサラダ、鳥手羽の煮込み。

不便さの中で見つけた、もうひとつの豊かさ
古い家での暮らしには、不便さもあります。冬は特に寒く、都会の暮らしとはずいぶん違うといいます。
「前に住んでいたマンションは、空調も整っていて冬でも全然寒くなかったんです。でも、なんだか季節をちゃんと感じていない気がしていて」
ここでは、寒さも不便さも、体でそのまま感じる毎日です。
「こっちに来てからは、寒さも不便さも全部、自分の体で感じながら生活している感じがします。そういうほうが、ちゃんと生きているなって思えるんですよね」

そんな話は、ご主人ともよくするそうです。
「不便だからこそ、どうやって工夫しようかって考えるんです。寒い日はこたつに集まったりして。みんなで温まる時間って、すごく幸せだよねって話しています」
便利さとは少し違う、もうひとつの豊かさ。この家での暮らしのなかで、そんな感覚が少しずつ深まっているようです。

そしてもうひとつ、願っていることがあるそうです。
「どちらかの子が、この家を住み継いでくれたらうれしいです。自分たちが暮らし、そのあとを子どもたちが引き継いでいく。そんな風に、あと100年、200年と続いていったらいいなと思っています」
長い時間を重ねてきた古い家。その時間が、これからもこの家族とともに続いていきます。
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