健康のためにランニングを始めたのに、吐き気を感じて続けられないというお悩みを抱える方がいます。
吐き気を感じるのはたまたまではなく、体調や生活習慣などさまざまな要因が関わっていることがあるのです。
運動中に吐き気を感じる主な原因は、低血糖、消化不良、脱水、貧血、酸欠などが考えられ、特に空腹状態で強度の高い運動をすると低血糖を引き起こしやすくなります。
激しい運動や長時間身体を動かすことで、体内に蓄えられた「ブドウ糖」を多く消費し、血糖値が正常範囲内より下がってしまうことが要因です。
本記事では、吐き気を感じた時の糖分摂取などの対処法や、予防のために知っておきたい食事・水分補給のルールを解説します。
目次
ランニングで吐き気を感じるのはなぜ?
ランニングに関わらず、激しい運動をすると吐き気を感じることがあります。
なぜ吐き気などの体調の変化を感じるのでしょうか?
まずはその理由についてみていきましょう。
低血糖
身体を動かすことによって、低血糖を引き起こしている可能性があります。
低血糖とは、血糖値が正常範囲内より下がっている状態のことを指し、以下のような症状が現れやすくなります。
- 吐き気
- 空腹感
- 動悸
- 冷や汗
- 眠気
- 集中力の低下
- 意識が朦朧とする
- けいれん
ランニングなどの激しい運動や長時間身体を動かすことで、体内に蓄えられた「ブドウ糖」を多く消費します。
すると、肝臓からのブドウ糖消費が追いつかなくなり、低血糖を引き起こすのです。
空腹状態で強度の高い運動をしている方や糖尿病治療のための服薬を行っている方に起こりやすいといわれています。
軽度な低血糖では、吐き気や動悸などの症状がでますが、重度になると意識障害を起こす恐れもあるでしょう。
消化不良
食後すぐにランニングをしている場合は、消化不良を引き起こし、吐き気や腹痛を感じることがあります。
食事をすると、体内に取り入れた食べ物の消化が始まります。
消化のために、消化器官には多くの血液が集まるのが一般的です。
しかし、食後すぐに運動を始めてしまうと、酸素を送るために筋肉に血液が集中してしまいます。
すると、十分に血液が供給されない消化器官はうまく働くことができず、消化不良が起こるのです。
脱水
運動中に、脱水症状が起こると吐き気を感じることがあります。
身体の半分以上は水分(体液)が占めているといわれています。
少しの水分が失われるだけでも喉の渇きを感じ、さらに水分が不足すると、健康障害を引き起こすこともあるほど、人間の身体は水分が欠かせません。
ランニングなどの多くの汗をかく運動は体液を大きく減少させ、水分補給が追いつかないと脱水症状を起こします。
脱水状態になると、以下のような症状が現れやすくなります。
- 吐き気
- 足がつる
- 口内の強い乾燥
- めまい、立ちくらみ
- 頭痛
貧血
ランニングなどの強度の高い運動は、貧血を引き起こしやすいです。
貧血とは体内のヘモグロビン値が、基準値を下回ることを指します。
運動により貧血が起こりやすくなる理由は、以下の3点が考えられます。
- 体内の鉄需要が増加する
- 汗によって鉄が排出される
- 足の裏の毛細血管の中にある赤血球が破壊され、溶血が起こる
激しい運動は筋肉をつくるために、多くの鉄分が必要となるため、食事などによる鉄分の摂取量がたりないと、鉄不足を引き起こしやすくなります。
また、運動により汗をかくことで鉄は体外へと排出されやすくなるため、さらに鉄不足が加速しやすくなるのです。
ランニングは「溶血」と呼ばれる症状が起こりやすいといわれています。
溶血とは、ランニングのような足の裏を地面に何度も打ち付ける運動で起こるものです。
衝撃により足の裏にある赤血球が破壊され、ヘモグロビンが赤血球の外に出てしまい、貧血が起こることがあります。
ランニング以外でも、サッカー・バレーボール・バスケットボールなどのスポーツでは溶血が起こりやすいです。
しかし、溶血により必ずしも貧血が起こるわけではありません。
十分な食事量を接種していないことなどが原因で起こりやすくなるでしょう。
酸欠
運動によって酸欠状態になっている場合でも、吐き気を感じることがあります。
息を止めてトレーニングをしたり、呼吸が浅くなったりすると酸欠状態になりやすいといわれています。
脳への酸素供給が不足すると、めまいやふらつき、吐き気が起こりやすくなるでしょう。
ランニング吐き気を感じた時の対処法
ランニング中に吐き気を感じる時は、以下のような対処法があります。
- ランニングを中断し、休憩する
- 水分を補給する
- 首などを冷やす
- 糖分を摂取する
- 改善しないときは病院を受診する
それぞれ詳しく解説します。
ランニングを中断し、休憩する
まずは、ランニングを中断し身体を休めてください。
吐き気を感じる原因はさまざまですが、原因によっては吐き気以外にめまいやふらつきなどの転倒の恐れのある症状がプラスしてでることがあります。
ランニングを無理して続けると、大きな怪我につながりかねません。
安静にして、身体や気分の調子が落ち着くか様子をみます。
水分を補給する
水分を補給しましょう。
一度に大量の水分をとるのではなく、少しずつの量を何度かに分けて摂取することをおすすめします。
運動時に不調を感じる際の、水分補給におすすめなのは「水」または「経口補水液」です。
脱水状態の身体は、水分と塩分(電解質)が失われた状態です。
特に不調を感じない場合は、水だけでも十分ですが、脱水の症状を強く感じる場合は水にプラスして塩分も補う必要があります。
経口補水液には水や塩分、吸収に必要な糖分(グルコース)が含まれているため、効率よく身体を潤すことができるのです。
反対に、以下のような飲み物は不調や脱水症状を感じるときにはおすすめしません。
- コーヒー、紅茶
- アルコール
- ジュース
コーヒーや紅茶のようなカフェインを多く含む飲み物やアルコールは利尿作用があります。
取り込んだ水分以上の量を排出してしまう恐れがあり、脱水症状をさらに悪化させるため、注意が必要です。
また、多くの糖分を含むジュースは水分の吸収を妨げやすいといわれているため、脱水状態の時にはおすすめできません。
首などを冷やす
脱水による吐き気や頭痛を感じる場合は、首を冷やすことで症状が和らぐことがあります。
首には大きな血管があるため、首を冷やすことで全身をめぐる血液を効率よく冷やすことができるのです。
激しい運動や、高い気温の中で運動したことで上昇した体温が下がりやすくなります。
ただし、冷やしすぎると血行が悪くなるため、保冷剤は直接当たらないようにタオルなどに包んで使用する、また長時間にわたって冷やし続けることは避けてください。
すぐに保冷剤などが手に入らない時は、まずは建物の影などの涼しい場所に移動しましょう。
日傘などを利用するのもいいです。
太陽が当たる場所にいると、水分不足を加速させてしまうためです。
糖分を摂取する
糖尿病治療により、インスリンなどを使用している方や空腹状態で運動をしている場合は、低血糖による吐き気を感じることがあります。
その際の対処法は、運動を中断し、ブドウ糖や砂糖を含む飲食物を口にしましょう。
しばらく様子をみて、回復しなければ同じものを再度口にします。
過去に運動で低血糖になったことのある方や、糖尿病の治療中の方は、万が一に備えて糖分を補給できるものを携帯するのがおすすめです。
改善しないときは病院を受診する
上記のことを試しても、体調が改善しない場合は医療機関を受診してください。
吐き気などの不調を放っておくと、意識障害などの全身の健康に影響を与えることがあるためです。
また、運動をするたびに調子が悪くなるのにはっきりとした原因がわからない場合、なにかの病気が潜んでいる可能性もゼロではありません。
自己判断は危険な場合があるため、医師に相談することをおすすめします。
ランニングで吐き気を感じないためにできること
ランニングで吐き気を感じないためには、以下のようなポイントに注意しましょう。
- 空腹状態で走らないようにする
- 食後すぐのランニングは避ける
- こまめに水分補給を行う
- 鉄分をとる
- 睡眠をしっかりとる
空腹状態で走らないようにする
空腹状態での運動は、低血糖や貧血のリスクを高めます。
運動をするときは、空腹を避けてください。
運動前におすすめなのは、バナナなどのエネルギーになりやすいフルーツやスポーツゼリー、消化が早い炭水化物を含むおにぎりやサンドイッチなどです。
反対に消化に時間のかかる油分や脂肪分を多く含む食事を運動直前にとると、消化不良を起こしやすいです。
食後すぐのランニングは避ける
食後すぐのランニングは、消化不良を起こしやすいです。
通常の食事をした場合は、2時間程度空けてから運動を始めるのがいいといわれています。
おにぎりやサンドイッチなどの軽食をとる場合は、30分〜1時間程度経ってからランニングをしましょう。
食べ過ぎた後や、脂っこいものを口にした後は、さらに消化に時間がかかるため3時間以上空けておくことをおすすめします。
こまめに水分補給を行う
運動中の脱水による吐き気を防ぐために、こまめな水分補給を行いましょう。
一度に大量の水分をとると、胃が重たくなり、走りにくくなる可能性があります。
そのため、運動開始30分前ぐらいからこまめに水分を取り始め、運動中も15分〜30分に一回程度は水分補給をしましょう。
大量の汗をかくことや、気温が高くなくても身体を動かすだけでも体内の水分は失われています。
喉が乾いたタイミングではなく、喉の渇きを感じる前にこまめに水分をとるのがおすすめです。
鉄分をとる
ランニングなどの激しい運動は、水分以外にも鉄分も失われやすいといわれています。
運動時の不調を防ぐためには、鉄分もしっかり補いましょう。
エネルギー源となるご飯やパンなどの炭水化物をとることにプラスして、鉄分が豊富な食材を摂ることを意識しましょう。
以下のような食材がおすすめです。
- 海藻類
- 赤身の肉
- 魚
- ほうれん草
- 大豆
- あさり
- 牡蠣
睡眠をしっかりとる
睡眠不足の状態で、運動をすることでも不調を感じやすくなります。
寝不足は身体や心の調子を整えるための「自律神経」のバランスを乱す原因になるのです。
自律神経の働きが乱れると、胃や腸などの働きが弱くなり吐き気を感じやすくなります。
運動をするときはしっかりと睡眠をとり、体調を整えておく必要があるでしょう。
吐き気を感じにくい運動はあるの?
ランニングなどの運動で吐き気などの体調不良を経験したことのある方は「吐き気を感じにくい運動ってあるのかな?」と疑問に感じるのではないでしょうか。
一般的に、ランニングや筋トレといった身体に負荷がかかりやすいエクササイズや、長時間にわたって身体を動かすことは、先述したような理由から吐き気が起こる可能性があります。
最後に、吐き気を感じやすい人におすすめの運動やエクササイズについて解説します。
軽めの運動がおすすめ
運動習慣のない方がいきなり強度の高いトレーニングや、激しい運動をすると先述したような身体の不調を感じやすいでしょう。
ウォーキングやピラティス、ヨガなどの息の上がるような激しい動きがなく、比較的軽いエクササイズは、吐き気などの体調の変化を感じるリスクを抑えやすいです。
ピラティスは誰でも挑戦しやすいエクササイズ
ピラティスとは、アウターを緩めてインナーマッスルを使えるようにし、背骨や骨盤を正しい位置に導く効果が期待できるエクササイズです。
ピラティスはゆっくりと身体を動かすため、急激な心拍の変動が少なく、身体への負担を抑えやすいといわれています。
また、リハビリ目的として発展したエクササイズのため、マシンで負荷を調節でき、関節などへの負担を抑えることも可能です。
そのため、運動で身体の不調を感じやすい方や、身体の痛みがある方でも挑戦しやすいという特徴があります。
ピラティスで得られる効果
ピラティスは以下のような効果が期待できます。
- 姿勢改善
- ストレス軽減
- 基礎代謝の向上
ピラティスはアウターを緩め、インナーマッスルを使えるようにするエクササイズです。
インナーマッスルは骨や内臓を支える役割があります。
そのため、インナーマッスルが強化されると正しい姿勢を保ちやすくなり、身体全体が引き締まる、ぽっこりお腹や便秘解消などの効果が期待できるのです。
また、ピラティスは深い呼吸もあわせて行うエクササイズです。
運動によって身体に力が入ると、呼吸が浅くなり酸欠を招く恐れがあります。
その点、ピラティスではしっかり呼吸法も学べるため、酸欠による体調不良も防ぎやすいといえるでしょう。
深い呼吸は自律神経を整えたり、血流改善や免疫力アップなどにもつながったりします。
以上のようなピラティスの効果をしっかり得たいという方は、スタジオレッスンがおすすめです。
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吐き気を感じにくい運動もあります!
ランニングなどの激しい運動は、吐き気を感じることがあります。
原因はいくつかあり、代表的なものとして低血糖や脱水、貧血などが考えられるでしょう。
吐き気を予防するためには、こまめな水分補給や睡眠をしっかりとること、また空腹状態を避けて行うことなど気をつけるポイントがいくつかあります。
また、吐き気などの身体の不調を感じた際には無理に運動を続けずに、水分補給や糖分補給を行い、改善しない場合には医療機関を受診しましょう。
「運動による吐き気が心配」という方は、ウォーキングやピラティス、ヨガといった心拍数が急激に上がりにくい軽めの運動からチャレンジしてみるのもおすすめです。
特に、ピラティスは呼吸をしっかりと意識しながら全身を動かすエクササイズなので、心地よい汗をかきながら、姿勢改善や基礎代謝の向上などの効果が期待できます。
年齢や運動習慣の有無に関わらず、誰でもチャレンジしやすいエクササイズです。
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