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再拡大しつつある新型コロナウイルスの感染に対する新習慣

再拡大しつつある新型コロナウイルスの感染に対する新習慣
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この原稿を書いている2020年11月23日は3連休中で各地で賑わいを見せておりますが、新型コロナウイルスの感染者は増加傾向であり、今後更なる感染拡大が懸念されます。私たちの生活も自粛ムードが再度高まる可能性があります。

自粛を含めた新型コロナウイルス時代の生活では多くの方にとって不安や恐怖などにより意識的あるいは無意識的な心理的ストレスが強いられます。ストレスが免疫能を低下させることが様々な研究で示されています。ストレスは、交感神経系や視床下部-下垂体-副腎(HPA)系という内分泌のシステムへの影響を介し、抗ウイルス免疫応答および自然免疫を乱します。 当然、新型コロナウイルスやインフルエンザウイルスなどにも罹患しやすくなってしまいます。

そんな時こそ、ヨガ、ピラティス、そして瞑想です。

ここでは、ヨガ、ピラティス、瞑想をほぼ同義のものとして捉えます。

ヨガやピラティス、瞑想が神経系、内分泌系、免疫系の相互作用を含む一連のホメオスタシス(恒常性)を調整することが示されています(Front Hum Neurosci. 2014;8:770)。 ストレスにより障害された免疫系を回復させてくれることが期待できます。
実際に、それらがインフルエンザ、結核、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)などの感染症に対し有益であることが示されています。
例えば、呼吸器感染症に対する瞑想と有酸素運動(ジョギングなど)の影響を調べた研究では、瞑想は運動群または待機対照群と比較して、急性呼吸器感染症の重症度を低下させ、QOLを向上させました(Ann Fam Med. 2012;10(4):337-346)(Influenza Other Respir Viruses. 2013;7(6):938-944. )。
結核感染患者を対象に抗結核治療へのヨガ追加の有効性を検討した無作為化比較試験では、ヨガ追加群は非ヨガ群と比較して、症状の軽減、肺活量の増加が認められ、レントゲン画像所見も改善しました。( Respirology. 2004;9:96–101)
ヨガはHIV陽性患者のストレス管理や心理的健康の改善にも効果的でした(Complement Ther Clin Pract. 2019;34:157–64)。 リンパ球やナチュラルキラー(NK)細胞活性など免疫に関わるパラメーターの改善も示されており、総じて、ヨガやピラティス、瞑想が免疫を強化し、ウイルスなどの感染症の予防の補助手段となりうる可能性があります(Int J Yoga. 2020;13(2):89-98.)。

心臓病や糖尿病をはじめとする炎症性要素を有する様々な疾患に対する補助治療としてのヨガやピラティスの可能性も示唆されています。 ヨガやピラティスが、炎症に深く関わっている「サイトカイン」という物質を調整し病態を軽減することが期待できます( J Behav Med. 2018;41:467–82)。
この「サイトカイン」の暴走(サイトカインストーム)が新型コロナウイルス感染症による肺炎の重症化と強く関連していることがわかっています。 新型コロナウイルス感染症のリスクがある人、或いは既に新型コロナウイルスに感染している人に対しヨガが有用である可能性があります(Int J Yoga. 2020;13(2):89-98.)

ヨガは、姿勢(アーサナ)、呼吸(プラナヤマ)、瞑想(ディアナ)を組み合わせたものであり、呼吸を重視している点が1つの特徴です。ピラティスもその原則は呼吸・集中・センター・コントロール・正確性・フローと言われ、やはり呼吸を重視しています。それらの呼吸法が呼吸筋を強化したり、呼吸機能の改善など有益な効果をもたらすという報告は数多くありますし( J Ayurveda Integr Med. 2019;10:50–8.)、肺炎のリスク軽減を示した研究もあります(J Orthop Surg Res. 2019;14(1):250.)。呼吸を重視することにより、肺胞をフル活用しますので死腔(使わない肺胞)が減り換気がよくなり感染リスクが低下するのかもしれません。
新型コロナウイルス感染症においても、その主体は呼吸器感染ですのでヨガやピラティスで呼吸器系を強化することは、肺炎予防、病態改善にも繋がることが期待できます。

オックスフォード大学や早稲田大学を含むチームが、様々な情報をもとに新型コロナウイルス感染症による自粛や隔離期間中の運動トレーニングのガイドラインを提唱しています(J Sports Sci. 2020 Aug 25:1-7.)。その運動メニューの1つとしてヨガが挙げられています。ヨガの推奨は概ね以下の通りです。。

健康もしくは無症状の人
70分のセッションを週2回(深呼吸や深いリラックスを含む)
軽度の上気道症状がある人(首より上の症状;喉痛や鼻水など)
60分のセッションを週2回(アーサナ、瞑想を含む)
上気道症状(首より下の症状;咳など)のある方 筋肉痛、発熱、消化器症状のある方、肺や他の臓器症状のある方
30分/セッションを週5回(アーサナ、プラナヤーマ、瞑想を含む)

注目すべきは、新型コロナウイルス感染時など感染症状のある時もヨガ実践を推奨している点です。このガイドラインには、ヨガ以外に有酸素運動、筋トレ、HIIT(High Intensity Interval Training)といったメニューの記載もありましたが体調不良時も実践を推奨するエクササイズはヨガのみでした。

またこのガイドラインでは呼吸筋のトレーニングも常に(体調不良時も)行うことが推奨されております。その意味でも新型コロナウイルス感染時のヨガやピラティスの実践は推奨されると思います。
手洗い、手指消毒、マスク、三密回避。新型コロナウイルス時代に一人一人が心がけることはシンプルです。これに加え、ヨガ、ピラティス、瞑想を行うことで感染対策の強化につながります。道具不要で、オンラインで自宅でも、いつでも、誰でもレベルに応じて行えるピラティスやヨガこそ、新型コロナ時代の新習慣だと思います。

ウェルビーイングクリニック駒沢公園 院長 布施淳

 

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監修者について

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