ピラティスとヨガは、 どちらも姿勢改善、ダイエット、ストレス解消など、心と身体のコンディショニングにぴったりのエクササイズです 。しかし、よく似た効果を持つだけに、「ピラティスとヨガの違いって?」「どちらが自分に合っているだろう?」と悩むこともあるでしょう。
ピラティスとヨガの決定的な違いは、「身体機能の強化(ピラティス)」か「メンタルの安定(ヨガ)」かという目的にあります。 ピラティスは胸式呼吸で交感神経を活性化させインナーマッスルを鍛えるのに対し、ヨガは腹式呼吸で副交感神経を優位にしリラックス効果を高めます。 本記事では、成り立ち、効果、身体の動かし方など、さまざまな視点から、ピラティスとヨガの違いを比較し、解説します。
目次
ピラティスとヨガは何が違う?

ピラティスとヨガの違いについて、まずは以下の表をチェックしてみてください。

ヨガはもともと、修行法として取り入れられ、心と身体を強化するためのものでした。そのようなヨガの動きに着目し、エクササイズとして新しく構成されたのがピラティスです。
ここでは、ピラティスとヨガの成り立ちの違いについて、解説します。
リハビリとして生まれたピラティス
ピラティスは、ドイツ人の従軍看護師ジョセフ・ピラティスが戦争で傷を負った兵士のリハビリを目的に開発したエクササイズです。ベッドに寝たままでも行え、主に肩甲骨周りの筋肉やインナーマッスルの強化を重視していました。 身体機能の向上、けがの予防にも効果的とされています 。
開発にあたってヨガの影響を受けているため、エクササイズの中にはヨガによく似た動きも多いのが特徴です。そのため、ピラティスはヨガとは全くの別物ではなく、ヨガの一種ともいえるでしょう。
ピラティスは、1926年にジョセフ・ピラティスがアメリカに渡った後に広まり、けがから回復するための筋力強化や姿勢の改善、身体のラインを整えるなどの働きを持つエクササイズとして、ダンサーやアスリートの間で人気が出ました。
精神の修行法として生まれたヨガ
ヨガの起源はインダス文明の時代で、インドで宗教的思想に基づいた修行法として用いられたことが始まりだとされています。
ヨガはもともと、身体の健康法としてではなく、精神の安定を重視していました。そのため、心の病のケアにも効果的だと考えられています。
やがてヨガがアメリカで広まってからは宗教的思想が弱まり、健康法のひとつとして、心を強化し、身体の柔軟性を高めるために多くの方が実践するようになりました。 ただし、自分自身と向き合う精神的な面を大切にする根本的なところは変わっていません 。
ピラティスとヨガの違い【呼吸法】

ピラティスとヨガの大きな違いとして、呼吸法が挙げられます。ピラティスでは主に胸式呼吸、ヨガでは主に腹式呼吸が用いられます。
胸式呼吸はやる気を得やすく、腹式呼吸はリラックスしやすいといわれています。以下で詳しい解説もチェックして、自分がほしい効果に当てはまるのはどちらかを判断してみましょう。
ピラティスは胸式呼吸:脳が活性化してエネルギッシュに
ピラティスでは、胸式呼吸を行います。胸式呼吸は、胸を膨らませて行う呼吸で、肋骨(ろっこつ)を前面や背面、横に広げるように深く呼吸する方法です。日中の活動時に何気なくしている呼吸は、実はこの胸式呼吸です。
ピラティスのエクササイズでは、吸うときは鼻から息を吸い、口から息を吐きます。胸式呼吸は活動時に活発化する交感神経を優位にする働きを持つのが特徴です。 意識して深く胸式呼吸を繰り返すと、脳が活性化され、筋肉も活動的な状態となり、頭も身体もすっきりとして集中力が高まります 。
ヨガは主に腹式呼吸:リラックス効果を高める
ヨガの呼吸法は、主に腹式呼吸です。腹式呼吸では、吸うときには横隔膜を下げるイメージでおなかを膨らませ、吐くときはおなかをへこませていきます。
ヨガの腹式呼吸では、鼻から吸い、鼻もしくは口から吐くことが多いようです。意識を呼吸に集中させ、深くゆっくり腹式呼吸を行うことで、休息時に活発化する副交感神経を優位にする作用があり、リラックス効果を得られます。
ただし、ヨガには多くの流派があるため、その他の呼吸法を用いることもあるでしょう。例えばアシュタンガヨガと呼ばれるものでは、腹式呼吸とウジャイ呼吸(胸式呼吸の一種)を組み合わせています。
ピラティスとヨガの違い【効果】

ピラティスもヨガも姿勢改善やダイエットにおすすめだといわれていますが、その効果にはちょっとした違いがあります。 簡単にいうと、ピラティスはインナーマッスルの強化と、それに伴う姿勢や骨格のゆがみケアに効果的です。一方ヨガは、気持ちの安定と柔軟性の向上に向いています 。
ピラティスの効果
ピラティスのエクササイズや呼吸法はインナーマッスルを刺激し、特に胴体部分の体幹を強化する効果が期待されます。インナーマッスルとは身体の奥深い部分にある筋肉で、通常の筋力トレーニングでは強化が難しい部位です。
インナーマッスルを強化することで、背骨や骨盤を正しい位置へと導く効果があるとされています。 身体を内側から支えられる強い体幹が作られ、姿勢や骨格のゆがみ改善に効果が期待できるでしょう 。
参考:『17~22歳のダンサーの姿勢、筋力、柔軟性に対するピラティスの補助トレーニングの効果』
ヨガの効果
ヨガは呼吸とポーズによりリラックス感が高まり、精神の安定に効果があるとされています。もともとは悟りを開くための瞑想がルーツであるため、ヨガは精神統一を行うために効果的な方法だといえるでしょう。
また、ヨガのポーズには、高いストレッチ効果もあるといわれています。 普段の生活では使わない筋肉が刺激されて柔軟になることで血流が促進され、老廃物が排出されるデトックス効果も期待できるでしょう 。
参考:『ヨガ、マインドフルネスに基づくストレス軽減とストレス関連の生理学的測定』
ピラティスとヨガの違い【身体の動かし方】

ピラティスのエクササイズとヨガのポーズには、似たところがあります。しかし、ピラティスでは流れるように動作を続けるのに対し、ヨガではひとつひとつのポーズをしばらくキープするのが特徴です。
ここでは、このような異なる動作によって生まれるメリットや効果の違いについて解説します。
ピラティスのエクササイズ
ピラティスは、流れるように動き続けていくのが特徴です。胸式呼吸を使い、背骨や関節の流動性を高めるエクササイズを中心に行います。
ピラティスでは、筋肉の可動域や柔軟性よりも、「動きの質」を重視するのがポイントです。骨や筋肉の調整のため、コントロールしながら動くことを重視します。 マットの上で寝転んで行うエクササイズが多く、運動不足の方や高齢者の方も安心して取り組むことができるのが、ピラティスの最大のメリットです 。
また、ピラティスでは微細な動きに「集中」します。すると脳と末端をつなぐ神経が活性化され、普段使われていない脳の部位が刺激されるため、仕事やスポーツのパフォーマンスアップの効果も期待できるでしょう。
ヨガのポーズ
日本のヨガのほとんどを占めるハタ・ヨガ(ヨガの流派のひとつ)では、身体をストレッチするようなポーズで数秒間キープし、深い呼吸をしながらポーズを深めていくのが特徴です。ヨガの動きでは、関節の可動域を広げ、筋肉の柔軟性を高めるポーズや、体幹・肩関節周辺のインナーマッスルを強化していくポーズが主に使用されます。
ヨガのグループレッスンでは、初めに基本的なポーズを繰り返して身体を温めてから、バランス感覚を高めるポーズや、逆立ちなど難易度の高いポーズに挑戦するのが一般的です。レッスンの最後には、寝転んで瞑想をする時間も設けられ、自身の心や身体と向き合うのに適しています。
なお、ハタ・ヨガ以外にも多くの種類があり、身体の動かし方が大きく異なるものもあります。例えば、パワーヨガはフィットネス要素が強く、パワフルでダイナミックな動作が多いため、一般的なヨガとは印象が違うでしょう。
ピラティスとヨガの違い【マット・器具】

ピラティスとヨガでは、使うマットや器具にも違いがあります。ピラティスは寝転ぶことが多く、ヨガは座った状態や立った状態が多いでしょう。それぞれの特徴に合ったアイテムを使わないと、身体を痛めることもあります。アイテムをそろえるときには、気をつけましょう。
ピラティスは厚みのあるマットで背骨を守る
ピラティスは寝転ぶ、横向きになるなどの動きが多いので、骨が硬い床に当たり痛くならないようにクッション性が高く、厚みのあるピラティス・マットを使用します。セラバンドと呼ばれるゴムのバンドや、マジックサークル、バランスクッションなどの専用プロップスを使うこともあるでしょう。
また、ピラティスでは、専用のマシンを使用することもあります。ベッドのようなキャデラックや、スプリングで負荷の調整ができるリフォーマー、椅子のような形状のワンダ・チェアなどです。 いずれも筋トレマシンのように負荷を高めるためではなく、負荷を軽減・動きをサポートするために使います 。
ヨガは薄くて滑りにくいヨガマットを使う
ヨガはポーズをとり、そのままキープすることが多いので、滑りにくく、静止したままバランスがとりやすいよう、薄めのヨガマットを使用するのが一般的です。マットの他には、ヨガベルトと呼ばれる布製のベルトや、ヨガブロックと呼ばれる軽いブロックで、ポーズのサポートをすることもあります。
また、ヨガの種類によって、使用するアイテムもざまざまです。例えば、エアリアルヨガでは天井からつるしたハンモックのような布を、海上で行うサップヨガはサーフボードよりも大きなボードを使います。
ピラティスとヨガ|どっちがおすすめ?

ピラティスとヨガ、どちらかを選びたいときには、まず以下をチェックしてみてください。
- 体幹を安定させたい、エネルギーが欲しい方向き:ピラティス
- リラックスしたい方や瞑想に興味がある方向き:ヨガ
まずはピラティスで体をコントロールして動かすことをしり、それからヨガに取り組むことがおすすめです。
ただし、どちらも継続しないことには効果は現れません。「やっていて楽しいと感じるのがどちらか」を見極めるため、ピラティスとヨガの両方を体験し、自分に合っているかをチェックするのがよいでしょう。
ピラティスに向いている人
ピラティスが向いているのは、主に以下に当てはまる方です。
- 美しいボディラインを手に入れたい
- 姿勢や骨盤のゆがみを整えたい
- エクササイズ後に爽快感がほしい
- 日々の生活を楽しみたい
ピラティスはインナーマッスルの強化に効果的なので、ボディメイクにおすすめです。またヨガに比べるとエクエササイズ後の「スッキリ感」が強いので、 リフレッシュしたい方や、前向きな気持ちがほしい方にはピラティスが合うでしょう 。
ヨガに向いている人
以下のような方には、ヨガが向いています。
- 気持ちを安定させたい
- 身体の柔軟性を高めたい
- 瞑想や呼吸法に興味がある
- エクササイズ後には、深いリラックス感がほしい
ヨガはもともと、瞑想による心身の強化を目的としたもののため、高いリラックス効果を得たい方におすすめです。また、柔軟性の向上にも適しています。
ピラティスとヨガには「共通点」もある!

ピラティスとヨガには、共通点がいくつかあります。ここでは、その中でも代表的なものを4つまとめました。
ここで解説するメリットが求める効果とマッチするのであれば、ピラティスとヨガのどちらから始めてもよいでしょう。
血流がよくなる
ピラティスもヨガも、血流を高める効果があるといわれています。深く呼吸を繰り返すことで横隔膜が上下して、血流を促すためです。また、ピラティスではインナーマッスルの強化、ヨガはポーズのキープによって身体の左右差が整うことによる影響も大きいといいます。
血流がよくなれば新陳代謝が向上するため、身体に栄養が回りやすくなり、逆に不要物は排出されやすくなるでしょう。
健康的な身体になる
健康的な身体を作るのにも、ピラティスやヨガは効果的です。どちらも以下のような効果が期待できます。
- 身体のゆがみを整える
- 筋肉の強化
- 筋肉の柔軟性アップ
身体のゆがみや筋肉の減少および硬化は、いずれも内臓の働きを阻害するといわれています。ピラティスやヨガはこれらのケアにつながるため、 身体の外側だけでなく内側の健康までもサポートしてくれるでしょう 。
心身の不調が改善される
ピラティスとヨガを続けていると、気になる心身の不調が改善されることもあるでしょう。ここまででお話した通り、血流アップや内臓の働きのケアにも効果的なためです。
血流がよくなれば冷えやむくみ、肩凝り、腰痛などの改善が期待できます。内臓の働きが正常化すれば、慢性的な便秘や胃もたれなどにも効果が出るでしょう。 また美肌や美髪など、美容においても血流および内臓の働きは重要です 。
自宅でも手軽に取り組める
ピラティスもヨガもドタバタとした動きが少ないため、自宅でも手軽に取り組めるのはメリットです。ただし、完全に自己流だと正しい動作が身に付きづらく、効果が出るまでに時間がかかりやすいでしょう。
本格的なレッスンを受けたいのであれば、スタジオまで出向くか、オンラインレッスンを活用するのがおすすめです。
ピラティスかヨガで迷ったら併用してもOK!
「ピラティスとヨガのどちらを始めるべきか」と悩んだときには、併用もおすすめです。ピラティスでは主にインナーマッスル、ヨガでは全身の筋肉や柔軟性をまんべんなく強化できるため、相乗効果を得られます。
また、どちらも運動不足でも取り組みやすいスローペースなエクササイズであるのがポイントです。迷ったときには日替わりでしてみたり、どちらもひとまず体験してみたりして、自分に合う取り組み方を見つけましょう。
ピラティスとヨガを「zen place」で体験しよう!

ピラティスとヨガには、共通点はあるものの、本質に違いがあります。

姿勢の改善や身体能力のアップを目指す方には体幹を強化できるピラティス、心が疲弊しがちな方や自然治癒効果を高めたい方にはリラックス効果があるヨガがおすすめです。さまざまな違いを知り、自分の目的に合ったものを選びましょう。
ただし、知識として違いを知っていても、実際にどちらが自分に合っているかはやってみないことには分かりません。「まずは試してみたい」と考えているのなら、ピラティス・ヨガスタジオ「zen place」で体験レッスンにトライしてみてください。併用して相乗効果を狙うのもよいでしょう。
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