晴天の中、自然豊かな原っぱでピラティスをする女性の後ろ姿

ウェルビーイングとは?身体を動かして幸福感を高めよう

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ウェルビーイングという言葉を聞いたことがあるものの、具体的にどのようなことなのか深くは理解できていないという方も多いのではないでしょうか。この記事では、ウェルビーイングの意味や注目を集めている理由について詳しく解説します。

また、ウェルビーイングを高める方法や生活の中に取り入れるメリットも紹介するので、学びを深めたいと考えている方に必見の内容です。ウェルビーイングを高めて人生を豊かにしていきましょう。

ウェルビーイングとは

ハート型のモチーフを持つ親子の手
日本において、「ウェルビーイング」という言葉の認知度は徐々に高まっています。しかし、まだ広くは浸透しておらず、中には「初めて聞いた」という方もいるかもしれません。

ここでは、まずウェルビーイングの意味や定義、類似する言葉との違いといった基本情報を解説します。

ウェルビーイングの意味・定義

Well-being(ウェルビーイング)とは、社会的にも精神的にも肉体的にも満たされた状態のことです。満ち足りた生活を送ることができている状態、充足感のある状態、幸福な状態などの多面的な幸せを意味します。

1964年にWHO(世界保健機関)が発表した「世界保健機関憲章」にて、「Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.」(健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます。)と記載されたことから、世界的に広く知られる言葉となりました。

類似する言葉との違い

ウェルビーイングと似た言葉に「ウェルネス」や「ハピネス」などがあります。それぞれの言葉の意味は以下の通りです。

  • ウェルネス:心身が健やかになるよう努めること
  • ハピネス:精神的な満足感や充足感のこと

ハピネスは、一時的で個人が抱く幸せを意味するのに対し、ウェルビーイングは、「持続的な幸せ」を意味するのが異なる点です。また、ウェルネスはウェルビーイングの状態に至るまでの「過程の一部」であり、ウェルネスを続けていくことで、ウェルビーイングを実現できます。

日本におけるウェルビーイングの現状

Well-being 分野における世界各地の研究者・技術者・国際機関の関係者で形成された「Global Wellbeing Initiative」と「日本版Well-being Initiative」が共同で実施している調査「Well-being Report Japan 2022」では、日本における2021年のウェルビーイングの実感度は25%であることが明らかになりました。過去5年の推移は以下の通りです。

年度 ウェルビーイングの実感度
2017年 23%
2018年 22%
2019年 26%
2020年 27%
2021年 25%

調査が開始された1958年と比較してGDPは30倍に上昇した一方、人生の満足度と呼ばれるウェルビーイングにおいては、ほぼ横ばいとなっています。日本はこれまでウェルビーイング政策を積極的に進めてこなかったため、ウェルビーイングの向上に努める他国との差が浮き彫りになっているのが現状です。

ウェルビーイングを達成するための指標

健康・医療に関するイラストが描かれた積み木と、それを積み上げる人の手
ウェルビーイングを向上させるためには、ウェルビーイングを構成する要素・指標について知識を深めることが大切です。

その中でも特に認知度の高いものや取り入れやすいものをいくつか紹介します。

PERMAモデルにおける5つの要素

「PERMAモデル」は、マーティン・セリグマン博士という心理学者が提唱したモデルです。以下の5つの要素で構成されています。

  • P(Positive Emotion):前向きな感情
  • E(Engagement):積極的な関わり
  • R(Relationships):良好な人間関係
  • M(Meaning):意味や目的
  • A(Achievement):達成感

「PERMA」は5つの要素の頭文字を合わせた造語です。前向きな感情のもと積極的に行動すれば、人間関係が良好になったり目的を達成できたりするといった良い結果がもたらされ、最終的に人生の充実度が向上すると考えられています。

ギャラップ社モデルにおける5つの要素

アメリカの世論調査会社であるギャラップ社は、世界150ヵ国以上への幸福度調査の知識・経験をもとに、ウェルビーイングに関する独自の基準を定めています。

  • Career Wellbeing:仕事や子育てなどの社会的活動が充実している
  • Social Wellbeing:良好な人間関係
  • Financial Wellbeing:経済的な幸福
  • Physical Wellbeing:身体的な健康
  • Community Wellbeing:地域や組織への帰属意識

ギャラップ社モデルは、「経済的な幸福」や「身体的な健康」など数値化しやすい項目が多いのが特徴です。企業や国など、大人数の状況を客観的に分析したいときの指標として適しています。

その他のモデルで提唱されている要素

慶應義塾大学大学院の前野隆司教授は、独自で実施したアンケート調査を分析し、幸福感と深い相関関係を持つ4つの因子があることを発見しました。前野氏が提唱した要素(因子)は以下の通りです。

  • やってみよう因子:自己実現
  • ありがとう因子:つながりと感謝
  • なんとかなる因子:前向きさ
  • ありのままに因子:自分らしさ

また、企業の組織開発やコンサルティングを担う企業アイディール・リーダーズ株式会社が提唱した要素もあります。

  • Purpose:存在意義
  • Authenticity:自分らしさ
  • Relationship:関係性
  • Wellness:心身の健康

個人でウェルビーイングを高めるときは、前野氏の要素のほうが取り入れやすいでしょう。一方、アイディール・リーダーズの要素は、「仕事におけるウェルビーイングの要素」として定められています。「意味を理解しやすい」「導入しやすい」と思う要素を参考にしながら、自身に合ったウェルビーイングの指標を見つけることが大切です。

ウェルビーイングが注目されている理由は?

大きな窓のある開放的な空間で仕事をしながら、笑顔を見せる女性
企業や個人の間でウェルビーイングを取り入れるケースが増えており、これからの人生を豊かにさせるにあたって欠かせない要素のひとつとされています。

しかし、なぜ近年になってウェルビーイングが注目を集めるようになったのでしょうか。ここでは、ウェルビーイングへの関心が高まっている理由を3つ紹介します。

世界経済フォーラム2021で発議された

2021年世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)のテーマは、社会の経済やあらゆる側面を見直し刷新する「グレート・リセット」でした。「もの」の豊かさで価値を見出していた社会システムをリセットして、「心身の幸福」を中心とした世界を築いていくことを意味します。

そして、グレート・リセットを実現させていくには、人々のウェルビーイングについて再考する必要があると提言されたことで、ウェルビーイングへの注目が高まりました。

OECD(経済協力開発機構)のプロジェクト「Education 2030」

OECD(経済協力開発機構)が2015年に立ち上げた「教育2030」は、全人類の繁栄や持続的な可能性を重視した教育を行うためのプロジェクトです。その目標のひとつに、「ウェルビーイング」の項目が設けられています。

2030年には世界的に変革の波が押し寄せることが予想されており、「子どもたちがどのように生き抜いていくのか」、「どのような教育が必要なのか」といった問題に対する回答として、ラーニング・コンパス(学びの羅針盤)が定められました。このラーニング・コンパスの中で、ウェルビーイングや希望的な未来の実現に向けた学習指導方針が記載されています。

コロナ禍による影響

日本は少子高齢化に伴い働き手不足という課題に直面し、一人ひとりの労働者により長く働いてもらうため、働き方改革や健康経営を進めてきました。そうした働きかけの中で、売上や業績などの「もの」の豊かさから、従業員の精神的な充実感やモチベーションが重視されるようにシフトしています。

また、2019年に新型コロナウイルス感染症が蔓延したことも、働き方改革を増進させるきっかけのひとつとなりました。コロナ禍が落ち着いた現在でも、リモートワークやフレックスタイム制といった多様性のある働き方を導入する企業が多数存在しています。

大阪万博のテーマ

2025年に開催予定となっている大阪万博のテーマは、「いのち輝く未来社会のデザイン」です。一人ひとりが自分らしく生きられる社会の在り方を追求しようといった意味が込められており、ウェルビーイングの考え方がテーマの一部に採用されています。

また、内閣官房が発表する資料「成長戦略実行計画」でも「国民がWell-beingを実感できる社会の実現」が目標のひとつとして定められています。ウェルビーイングは、国を挙げて取り組むべき課題となっているのです。

ウェルビーイングの考え方を取り入れるメリット

ウェルビーイングの考え方を個人の生活に取り入れると、具体的にどのような効果がもたらされるのでしょうか。コツコツ実践することで、以下のようなメリットが発生すると考えられます。

  • 心身ともに健康的な状態が保てる
  • 新しいことに挑戦する中で、達成感や充実感を味わえる
  • 仕事へのモチベーションが向上する
  • 積極的にコミュニケーションを取れるようになり、対人関係が良好になる など

ウェルビーイングとは、持続的な幸せを感じられる状態のことです。実現されれば、心身の健康が長期間保たれることとなり、自分らしく生き生きと豊かな人生を送ることができるでしょう。

生活の中でウェルビーイングを高める方法

運動前の準備体操をしながらほほ笑む女性
ウェルビーイングは、「社会的」「精神的」「肉体的」に満たされた状態を意味していますが、幸福に満たされた人生を送るためには、具体的にどのようなアプローチをしていけばよいのでしょうか。

ここでは、生活の中で実践できるウェルビーイングを高める方法について詳しく解説します。

資格取得やキャリアアップを目指す

社会的な幸福度を高めたいときは、資格取得やキャリアアップを目指すのもひとつの手です。資格取得に向けて勉強することで、知識が深まり自分に自信がつきます。知識やスキルを評価されてキャリアアップが果たせれば、社会的な充足感の向上につながるでしょう。

ただし、仕事面だけが満たされていればよいというわけではありません。仕事とプライベートを両立できるように、適切なバランスを保つことも重要です。

好きなことをしてリフレッシュする

ウェルビーイングの実現には、精神的な安定を手に入れることが大切です。興味のあることや趣味の活動を、日常生活の中で積極的に取り入れていきましょう。好きなことに熱中していると、余計なことを考える時間が減りストレスを発散できます。

また、心からリラックスすることで自律神経が整い、心身が乱れにくくなるでしょう。自律神経とは、内臓やホルモンなどの働きをコントロールする神経のことです。自律神経が乱れると、「眠れない」「疲れやすい」「頭痛がする」などの不調が現れるようになるといわれています。

適度に身体を動かす

身体的な健康もウェルビーイングの実現に欠かせません。適度に身体を動かすことで、体脂肪が減ったり筋肉量が増えたりするといった効果を期待できます。筋肉量が増えると基礎代謝が上がるため、血流改善や生活習慣病の予防にも役立つでしょう。ウェルビーイングに適した運動やエクササイズの一例は、以下の通りです。

  • ウォーキング
  • ヨガ
  • ピラティス など

ウォーキングのために外に出て日光を浴びることで、セロトニンの分泌を促せます。セロトニンは精神を安定させる力を持つ神経伝達物質の一種です。セロトニンが増加することで幸福感を感じやすくなり、さらに日光を浴びることで体内時計がリセットされ、生活リズムが整うといったメリットがあります。

一方、ヨガやピラティスは、呼吸を整えながら身体を動かし、筋肉に適度なアプローチを加えるエクササイズです。特にピラティスは、インナーマッスルを強化するという特徴があり、姿勢の改善や見た目の変化にもうれしい影響をもたらします。身体が整うことで、精神的にもリフレッシュできるでしょう。

ピラティスでウェルビーイングを実現しよう

明るい光が差し込む教室で、ピラティスのレッスンを受ける女性たち
ウェルビーイングとは、肉体的・精神的・社会的に満たされた持続的な幸福を手に入れることです。ウェルビーイングを高める方法としては、「キャリアを磨く」「身体を動かす」「好きなことに没頭する」などがあります。楽しく取り組めることを見つけて、少しずつ生活の中に導入していきましょう。

ピラティスを始めて心身のリフレッシュを促すのもひとつの方法です。日本全国に約130店舗を展開し、体験レッスンも充実しているスタジオ「zen place」では、最新式のピラティス・メソッドを体験できます。本格的なピラティスで、一緒にウェルビーイングを高めませんか。ご興味のある方はぜひ一度体験レッスンを利用してみてください。

参考:
『公益社団法人 日本WHO協会』

『日本のウェルビーイング実感の経年変化』

『成長戦略実行計画』

 

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