オフィスのパソコンの前で、楽しそうにほほ笑む女性

レジリエンスの意味は?注目を集める理由や強化させる方法を解説

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レジリエンスは、「回復力」や「復元力」を意味する言葉です。ビジネスシーンにおいて、「レジリエンスを高めよう」「レジリエンスの向上が必要」といった言葉を耳にしたことがある方も多いでしょう。

この記事では、レジリエンスの意味や基本情報と、レジリエンスを高めるメリットを解説します。

また、レジリエンスを強化させる具体的な方法や、レジリエンスに影響を与える因子などについても紹介するため、ぜひ参考にしてみてください。

レジリエンスとは

レジリエンスと書かれた積み木と、それを囲うように置かれた両手
「レジリエンス」は、日本において近年注目が高まってきている言葉です。言葉自体は聞いたことがあるものの、具体的な意味は分かっていないという方も多いのではないでしょうか。

ここではまず、レジリエンスの意味や種類、注目を集めている理由などの背景についても解説します。

レジリエンスの意味

レジリエンスは、「回復力」「復元力」「精神的回復力」などの意味を持つ言葉です。

元々は物理学の分野で使用されていて、「外から力が加えられたことによって変形した物質・物体が、跳ね返す力」のことを意味していました。しかし、近年は主にビジネスシーンにおいて、「ストレスを対処し回復する力」「困難な状況にも柔軟に対応力」といった意味を示す言葉として使用されています。

レジリエンスの種類

レジリエンスは、ビジネスシーンや物理学、心理学などさまざまな分野で使用されている用語です。使用シーンによって意味合いが異なるため使い方には注意しましょう。レジリエンスの代表的な種類と意味は以下の通りです。

  • 組織レジリエンス:企業や組織において、困難を乗り越えて適応・成長する力
  • 災害レジリエンス:災害や震災の中で、しなやかに復興する力
  • 環境レジリエンス:環境変化に対して、柔軟に対応していく力
  • サイバーレジリエンス:サイバー攻撃を受けた場合において、機能を回復する力

レジリエンスが注目されている理由

レジリエンスが最初に注目を集めるようになったのは、第二次世界大戦下のホロコーストで孤児の追跡調査をしていたときです。「トラウマを克服した孤児」と「トラウマから抜け出せずにいる孤児」がいることが判明するとともに、トラウマを克服した孤児は以下のような能力が高いことが明らかになりました。

  • ストレスを跳ね返す力
  • 外的環境への対応力

このような能力が高くなれば、困難を克服し幸福度を向上できると考えられ、重要視されるようになったのです。また、近年は働き方改革や新型コロナウイルス感染症による影響、世界情勢の変化などが要因となり、「レジリエンス」が注目を集めています。

レジリエンスを高めるメリット

オフィスの廊下で笑顔を見せる女性
レジリエンスは、ストレス過多といわれる現代社会を生き抜くために重要な能力のひとつです。

では、レジリエンスを向上させた場合、具体的にどのようなメリットを享受できるのでしょうか。ここでは特に個人が実感しやすいメリットを3つ紹介します。

ストレスへの耐性が強化される

日本では、多くの方が仕事に対してストレスを感じているようです。厚生労働省が実施した「令和3年労働安全衛生調査(実態調査)の概況」では、「現在の仕事や職業生活に関することで、強いストレスとなっていると感じる事柄がある労働者」の割合が53.3%に登ることが明らかになりました。

強いストレスを感じると、自律神経が乱れて「眠れない」「食欲不振」「吐き気や腹痛」などの症状が発生する恐れがあります。レジリエンスを高めて対応力が身につけば、ストレスをうまく対処して、今よりもスムーズに心身の健康を維持できるでしょう。

環境変化への適応力が高まる

働き方改革によってリモートワークやフレックスタイム制度、副業制度などが導入されているものの、「実際はうまく活用しきれていない」という方もいるかもしれません。しかし、技術革新のスピードが早く、社会情勢や世界経済が不安定な現代社会では、今後もビジネスシーンにおいて大きな変化が見られる可能性が高いでしょう。時代の変化に柔軟に対応していく力が必要です。

また、引っ越しや家族の進学・転勤などで、日常生活が変化することもあります。変化が起こると、自分では気が付かなくてもストレスを蓄積してしまうものです。レジリエンスを高めれば、困難な状況に直面した際にも、その状況に適応したり回復したりする力が育まれます。

前向きに挑戦する力が身につく

レジリエンスが高まると、自分に対する自信がつくのもメリットのひとつです。対応力や回復力が他の人よりも強い状態にあることを実感できるため、たとえ困難な状況に置かれたとしても、「自分なら大丈夫」と前向きに考えられます。

また、自信がつくと、「新しいことにも挑戦したい」「今までと異なる環境で学びたい」といったように、向上心も高まるでしょう。知識や経験が身につけば、「昇進」「昇給」「キャリアアップ」といったように、さらなる恩恵を享受できる可能性もあります。

レジリエンスに影響を与える2つの因子

天秤に乗せられた「?マーク」のブロック
レジリエンスの因子には、「危険因子」と「保護因子」の2種類があります。危険因子と保護因子に関する知識を深めて、レジリエンスの向上に役立てましょう。ここでは、各因子の具体的な内容や事象について解説します。

危険因子

危険因子は、「困難な状況やストレスをもたらす因子」のことです。戦争や災害、病気、人間関係、親の離婚、虐待などが挙げられます。

危険因子は毎日の生活の中にも多数潜んでいるものです。これらの問題に対応する中でレジリエンスが向上するといわれていますが、危険因子は心身に影響を及ぼすものであるため増えれば増えるほどよいというわけではありません。

危険因子への対処法としては、マイナスの感情が発生する機会を減らす、明るい未来を想像しながら生活するなどの取り組みが効果的でしょう。

保護因子

保護因子は、「困難な状況やストレスからの立ち直りを促進させる因子」のことです。危険因子とは異なり、レジリエンスによい影響をもたらします。保護因子の構成要素は以下の通りです。

  • 個人の性格や思考などの内面的要因
  • 学校や地域、職場の対人関係などの環境的要因

例えば、内的要因には「前向きな性格」「嫌なことはすぐに忘れる」といったものが、環境的要因には「いつでも何でも相談できる友達・家族」「学習支援を行う公共サービス」「会社の相談窓口」などが挙げられます。

保護因子はレジリエンスの働きをサポートする役割があるため、レジリエンスを高めたい場合はこれらの要素を増やし、適宜活用しましょう。

レジリエンスを高めるために欠かせないもの

レジリエンスを構成する要素は主に6つあります。この6つの要素はまとめて「レジリエンスコンピテンシー(総合的で複合的な能力)」と呼ばれており、誰もが持っている潜在的な能力です。

  • 自己認識力:自分の感情や思考、価値観などを分析し受け入れる力
  • 自己コントロール力:思考や感情をコントロールする力
  • 精神的柔軟性:多面的に物事を捉え、臨機応変に対応する力
  • 現実的楽観性:目的達成に向けて前向きに考え、行動する力
  • キャラクターストレングス:自分に自信をつけて、積極的に挑戦する力
  • コミュニケーション力:他者と協力して物事を成し遂げる力

レジリエンスは「スキル」や「技術」と捉えられることが多いですが、実際はこのように、能力や思考、価値観などと大きなかかわりを持っています。レジリエンスコンピテンシーの能力値が高くなれば、必然的にレジリエンスも向上するのです。まずはひとつひとつの要素に関する知識を深め、「自分はどの能力が高いのか」「どの能力を高めていく必要があるのか」を分析しましょう。

レジリエンスを強化させる5つの方法

森林の中を散歩しながら、生き生きとした笑顔の女性
レジリエンスを強化することで、ストレス耐性が高まったり困難を乗り越えたりする力が向上します。

レジリエンスを高めたいと考えているものの、「具体的に何をしたらよいか分からない……」「個人での取り組みに関する情報が少ない」と悩んでいる方もいるかもしれません。ここでは、ひとりでも取り組めるレジリエンスの高め方を5つ紹介します。

ABCDE理論を活用する

ABCDE理論は、感情のコントロール力を向上させる方法のひとつです。ABCDE理論に基づいて一連のプロセスを実行することで、思考パターンが肯定的に変化しやすくなります。

  • A:できごと
  • B:考え方、受け取り方
  • C:感情や行動
  • D:Bに対する反論
  • E:合理的な感情や行動

Aは身の回りで発生する問題やストレスです。(A)の事象を受け取ることで(B)の「嫌だ」「逃げよう」といった感情・行動が起こります。

(C)は(A)によって発生した感情・行動だと思われがちですが、実際は(B)によって大きく左右されているものです。(B)に対する反論を打ち出し、物事の捉え方や価値観に変化を与えましょう。そうすることで、最終的には(A)に対する合理的な感情や行動が引き起こされます。

自分の考えを分析する

考え方の癖や思考傾向は誰にでもあるものです。例えば、「絶対に失敗したくない場面でいつも焦ってしまう」「ネガティブに考えてしまい、うまくいかなくなる」といったケースが挙げられます。よくある思考の種類とパターンの一例は以下の通りです。

思考の種類 事例
0か100か白黒をはっきり決めたい
  • 自分にとって100点でない場合は受け入れない
  • 完璧でないのであれば駄目
全てをマニュアル化しようとする
  • 1回失敗しただけで「自分には向いていない」「また失敗するかも」と考える
何においてもマイナス思考
  • たまたま失敗した場合でも「自分のせいで」「私が悪かったからうまくいかなかった」などと捉える
想像が先行して現実的な見解を持てなくなる
  • 「絶対に失敗する」と考えて疑わない
  • 他者が会話をしているだけで、「あの人は私の悪口をいっているはず」などと決めつける
自己中心的な思考
  • 「あの人のせいで失敗した」「自分が正解で他の人が間違っている」などと思い込む

これまでの生き方や環境によって、考え方の癖は大きく異なります。レジリエンスを向上したいときは、自身の思考傾向を分析しましょう。そうすることで、これまでの思考傾向から脱却し、前向きな考え方に導く方法や自己課題への対策を講じやすくなります。

自尊感情を高める

自尊感情とはありのままの自分を受け入れることです。自尊感情が高まると自分に自信がつき、困難な状況にも立ち向かう勇気が持てます。自尊感情を高めるには、「成功体験」を増やし自己肯定感を高めることが大切です。目標は低めに設定し、少しずつ課題をクリアしていくとよいでしょう。

例えば、「健康的になりたい」と考えているときに、いきなり「毎日マラソン10km」「マイナス5kg」などと目標を定めると、達成できない確率が上がります。成功体験を増やすには、「毎日10分はウォーキングする」「12時前には布団に入る」といったように、スモールステップでゴールを設定するのがおすすめです。

新しいことに挑戦する

新しいことにも積極的に挑戦していくことで、自己効力感が高まります。自己効力感とは、「自分ならできる」「私は大丈夫」といったように、自分に自信を持つことです。何でもすぐに諦めてしまうと、困難な状況が発生した際も乗り越えられず、さらにマイナスな感情・状況が起こるという悪循環が発生する恐れがあります。

苦しいときほど、「私なら乗り越えられる」と信じて前向きに行動する力が必要です。自分から進んで行動したとき、逆境を乗り越えたとき、難しい状況の中で手に入れたスキルなどから自己効力感が高まると考えられています。習い事を始めたり、趣味の活動に没頭したりと、手軽に取り組めることからスタートしてみましょう。

心身の調子を整える

レジリエンスを向上させるためには、思考やマインドを強化させるだけでなく、身体の健康を保つことも大切です。「適度に身体を動かす」「朝日を浴びる」、「バランスのよい食事を摂る」など、健康的な生活習慣を心がけましょう。

また、リラクゼーションを取り入れることで、精神的な安定感が増すといわれています。リラクゼーションを促すおすすめの方法は以下の通りです。

  • 森林浴
  • ウォーキング
  • ピラティス
  • ヨガ など

また、「絵を描く」「音楽を聴く」「映画を観る」といったリラクゼーション方法もあります。好きなことや興味のあるアプローチ方法を見つけて、楽しく取り組みましょう。

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レジリエンスの向上をおすすめしたい人の特徴

レジリエンスが高い方の特徴としては、「考え方に多様性がある」「前向きな思考・行動が多い」、「人間関係を円滑に築ける」といったものが挙げられます。一方、レジリエンスが低い方の特徴は以下の通りです。

  • 気持ちの切り替えに時間がかかる
  • 主体的な活動が苦手
  • 悩み事をあまり人に相談しない
  • 対人関係が苦手
  • 新しいことにチャレンジしない など

レジリエンスが低い状態が続くと、ストレスに打ち勝つことが難しくなり、「疲労が蓄積しやすくなる」「精神的に不安定になる」などのリスクが高まります。これらの特徴に当てはまる場合は、できるだけ早く対策しましょう。

レジリエンスの向上にはピラティスが最適

鏡の前でピラティスに励む女性
レジリエンスは、回復力や対応力を意味する言葉です。レジリエンスを高めることで、「ストレス耐性が強化される」「環境変化への対応力が高まる」「人間関係が円滑になる」といった効果を期待できます。

レジリエンスを高めたいときは、趣味の活動を始めたり身体を動かしたりと、楽しく続けられそうなものから始めましょう。

レジリエンスを高める方法のひとつとして、ピラティスもおすすめです。ピラティスとヨガのスタジオ「zen place」には、業界トップクラスの実力を持つエデュケーターが多数在籍しています。日本全国約130ヵ所に開設しており、レッスンの種類も豊富です。体験レッスンのメニューも充実しているので、初めての方でも安心して利用できます。興味のある方はぜひ一度体験レッスンに参加してみてください。

参考:
『厚生労働省 令和3年労働安全衛生調査(実態調査)の概況』

 

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