ストレートネックは、長時間のスマホ利用や同じ姿勢でのデスクワークなど、日常生活の中での首への無意識なストレスにより起こります。最近、頭痛や目まいがする……とお悩みの方の中には、首への負担に心当たりがある方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、ストレートネックのセルフチェック方法や、ストレッチやピラティス、ヨガといった改善方法を紹介します。この記事を参考に、ストレートネックの悩みを解決していきましょう。
目次
肩こりや頭痛の原因?ストレートネックとは
ストレートネックは、姿勢の悪さが原因といわれる症状であり、肩こりや頭痛を引き起こすことがあります。まずは、ストレートネックがどのような状態であるかを把握しましょう。
ストレートネックがスマホ首と呼ばれる理由についても解説します。
首の骨が不自然に真っすぐになった状態
ストレートネックとは、頸椎(首の骨)の湾曲がなくなり、名前の通り首が真っすぐ(ストレートに近い角度)になった状態のことです。人間の首の骨は通常、頭の重さを最小限の力で支えるために緩やかにカーブしています。
しかし、何らかの原因で頸椎が真っすぐになってしまうと、頭が前方に傾く姿勢になるでしょう。その結果、首の「頭の重さを支える負荷」が増え、さまざまな健康問題を引き起こすきっかけとなるわけです。
首の骨である頸椎は7つの骨が連なっており、頭が15度傾くと首には12キログラムの負荷がかかるといわれています。そのため、首の湾曲が少なくなるほど、首への不可は増大してしまうのです。
別名「スマホ首」とも呼ばれる
ストレートネックは、現代の日常生活に不可欠となったスマホの使用によって引き起こされるケースが多いため、「スマホ首」という別名が付いています。スマホを使うとき、自然と身体の前でスマホを持つ方は多いでしょう。前かがみの姿勢でスマホを操作する方もいるのではないでしょうか。
この姿勢は、肩より頭部が前にある、つまり首に負担をかける姿勢です。スマホの使用が頻繁な人ほど発症しやすいため、ストレートネックは現代社会における健康問題のひとつともいえます。
ストレートネックが原因で起こる症状
ストレートネックになると血流が悪くなり、さまざまな不調が引き起こります。姿勢の悪さやスマホの使い過ぎに心当たりがあり、さらに身体の不調を感じているという方は、ストレートネックが原因となっているかもしれません。
ここでは、ストレートネックが原因となる主な症状について紹介します。
頭痛や目まい
首は脳と身体をつなぐ経路となっており、多数の神経と血管が集中している場所です。ストレートネックによって首への負荷が増えると、首まわりの筋肉が緊張して、血管に圧力がかかります。血の流れが滞った結果、酸素や血液が減少し、頭痛や目まいといった不調が起こることがあります。
首こりや肩こり
私たちの首は通常は湾曲していますが、これは筋肉にかかる負担を軽減するためです。ストレートネックは首の自然な湾曲が失われた状態であるため、首や肩まわりの筋肉の緊張や硬化を引き起こし、その結果、首こりや肩こりといった初期症状が表れます。
メンタル不調や不眠
ストレートネックが原因となり、メンタル面に不調をきたすケースもあります。ストレートネックとメンタルには、何のつながりもないように感じる方もいるでしょう。しかし、首には自律神経に関係する神経が集まっています。
ストレートネックが原因で神経が圧迫されると、自律神経の働きが阻害されてさまざまな不調が現れる恐れもあります。自律神経の乱れは、睡眠障害や食欲不振、疲労感や鬱(うつ)といった症状を起こす原因のひとつです。
手や指のしびれ
ストレートネックになると、手や指先がピリピリとしびれるかもしれません。これは、頸椎を通る動脈や神経に圧力がかかるために起こる症状です。また、骨と骨をつなぐ役割のある椎間板が飛び出すと、頸椎椎間板ヘルニアを発症し、手や指先にしびれを感じるケースもあります。
頸椎椎間板ヘルニアは胸や背中にかけて痛みを感じるほか、歩行障害を起こす恐れもあり、注意が必要です。
ストレートネックかもと思ったら|セルフチェックで確認
ストレートネックに心当たりのある方は、まずセルフチェックしてみましょう。ここでは、一般的なセルフチェックの方法を紹介します。
【セルフチェック1】
壁に背を向けて立ち、かかと・おしり・肩の3点を壁に付けます。このとき、壁に頭が付いていれば問題ありません。もし、壁に頭が付いていなければ、ストレートネックを疑いましょう。
【セルフチェック2】
横向きの全身写真を撮ります。写真を確認して、胴体より顔が前に出ていれば、ストレートネックの可能性が高いでしょう。
ストレートネックはレントゲンでの診断が基本です。セルフチェックは、あくまでひとつの指標として活用しましょう。
ストレートネックになる原因と改善策
日常生活に支障をきたすストレートネックですが、実は日常生活そのものが原因となって起こっているかもしれません。
ここからは、日常生活でストレートネックを引き起こす原因と、その改善策を紹介します。生活のスタイルを見直すきっかけにしてみましょう。
長い時間スマホを見ている
「スマホ首」という別名を持つほど、スマホの使用とストレートネックには深い関係があります。スマホを見ているとき、私たちは無意識に首を下に向ける傾向があります。この姿勢を長時間続けると、血流が悪くなり、筋肉が緊張するので不調が起こりやすくなるでしょう。
ストレートネックの予防や改善のためには、スマホの長時間使用を避けるのが大切です。また、首が下がらないように「スマホを目と同じ高さで持つ」「両手持ちでスマホを操作する」といった工夫を取り入れるのもよいでしょう。
同じ姿勢でデスクワークをしている
ストレートネックの一因として、デスクワークの多さも挙げられます。たとえばPC作業を行っている場合、モニターを見つめているときは頭が前に傾きやすいでしょう。頭が前に傾くと、首や背中の筋肉が引き伸ばされ、首や肩に過度の負担がかかります。
デスクワークを原因とするストレートネックを予防、または改善するためには、自分の体形に適したデスクや椅子を使用し、よい姿勢を心掛けましょう。座りっぱなしを避けるため、仕事の合間に簡単なストレッチをするのも効果的です。
椅子に座る時間が長い
普段の生活の中で座っている時間が長い場合にも、ストレートネックになることがあります。猫背の状態で座っている方は、よりストレートネックを引き起こしやすいかもしれません。背中を丸めた姿勢は、血流が悪くなりやすい姿勢です。首や肩まわりの血流が滞れば、痛みが生じるケースもあるので注意しましょう。
椅子に座るときには、骨盤を立てて背筋を伸ばす意識を持つと、ストレートネックの予防や改善につながります。座る時間が長くなってきたと感じたら、一度椅子から立ちあがって、伸びをするよう心掛けるのもよいでしょう。
高さの合わない枕で寝ている
枕が高すぎると睡眠中に首に圧力がかかるため、首まわりの筋肉が固まって、不快な症状が現れるかもしれません。また、枕の硬さがストレートネックの一因になる場合もあるでしょう。
「柔らかすぎ」「硬すぎ」といった使用感の枕は避けるのが望ましいといえます。自分に適した枕を購入したり、タオルで枕の高低を変えたりなど、快適な睡眠と首まわりの健康を維持する工夫をしてみましょう。
体幹の筋力が衰えている
ストレートネックは、体幹の衰えも原因のひとつです。体幹とは、おなか、背中、腰などの胴体を指します。体幹は姿勢を保つために重要な場所で、衰えると猫背になりやすく、ストレートネックになる可能性が高まります。
体幹を強化して姿勢を改善すると、ストレートネックの予防や改善につながるでしょう。ピラティスやヨガは体幹の強化に効果的なので、積極的に取り入れるのがおすすめです。
ストレートネックを解消するおすすめの方法
首まわりの筋肉を和らげるだけでなく、身体のバランスを整える方法を取り入れると、より不調を改善しやすいでしょう。ここからは、ストレッチ、ピラティス、ヨガといった、ストレートネックのおすすめの解消方法を紹介します。
ストレッチ
ストレートネックは、ストレッチで解消できるケースもあり、その種類は多岐にわたります。ここで紹介する「側屈ストレッチ」や「回旋ストレッチ」は、ストレートネックに効果的といわれているストレッチです。
【側屈ストレッチ】
1.あごを引いて頭をゆっくり右に傾ける
2.あごを引いて頭をゆっくり左に傾ける
3.繰り返す
よい姿勢で行うのがポイントです。正面を見ながら呼吸を止めずに繰り返しましょう。
【回旋ストレッチ】
1.正面を向き、首のみを右に向ける
2.3秒キープする
3.反対側も同様に行う
鼻先を横に持ってくるイメージで行うとよいでしょう。首を傾けたり、身体の中心がブレたりしないように意識するのがポイントです。
ピラティス
インナーマッスルに刺激を与えるピラティスは、体幹の強化に効果的です。継続によりストレートネックの改善効果も望めます。ピラティスにはさまざまなエクササイズがありますが、特に効果的なのは背骨を整える「キャットバック」というマシンピラティスです。
また、同じくマシンピラティスの「スワン」も姿勢改善やストレートネックの解消に効果があるといわれています。これらのマシンピラティスは、リフォーマーと呼ばれるマシンを使用して行うため、難易度が高いのではないかと感じる方も多いでしょう。しかし、正しい身体の使い方を覚えられるマシンピラティスは、ピラティス初心者にこそおすすめです。
ヨガ
身体のゆがみを整えたり、心のやすらぎを得たりできるヨガにも、ストレートネックに効果的なポーズがあります。首まわりを刺激できるものの中でもおすすめなのが、「ウサギのポーズ」です。ウサギのポーズは、首を伸ばして血行を促進するポーズであり、目や肩の疲れに効果的であるといわれています。
また、背骨を整える「ラクダのポーズ」もおすすめです。ラクダのポーズは身体を反る代表的なポーズですが、はじめてヨガに挑戦する方には難易度が高いかもしれません。簡易的なラクダのポーズから始めたり、エデュケーターのレクチャーを受けたりしながら取り組んでみましょう。
ストレートネックのお悩みを解決するなら「zen place」
ストレートネックは頭痛や目まい、肩こりやメンタル不調を引き起こすことがあります。スマホの長時間使用をはじめ、デスクワークや体幹の衰えがストレートネックの原因になるため、改善するには日常生活を見直すことが大切です。
また、ヨガやピラティスもストレートネックを解消する方法のひとつです。日本全国で展開している、ヨガとピラティスのスタジオ「zen place」では、はじめての方も安心して臨んでいただけるよう、体験レッスンを実施しています。ストレートネックにお悩みの方は、専門知識を持つエデュケーターのレッスンを受け、改善を目指しましょう。