ヨガの呼吸法にはどんな効果があるのですか?

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ヨガの腹式呼吸には血液循環の改善や自律神経を整える効果があると言われています

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呼吸法には腹式呼吸、胸式呼吸とこの両者が同時に行われる胸腹式呼吸があります。
このうちの腹式呼吸とは、肋骨の下部にある横隔膜を上下させて肺を膨らませることで、肺の中に空気を引き込む方法です。
ヨガの呼吸法においては、この腹式呼吸がとても重要です。
腹式呼吸には血液循環を改善させたり老廃物を浄化させたり、さらには自律神経の状態を整える効果があります。
自律神経の状態を整えることにより、心も含めた全身の緊張状態がほぐれ、ストレスから解放されるといわれています。

呼吸は自分でコントロールできる身体活動です

人として生まれてから命が尽きるまで、ほぼ無意識に行われているのが呼吸です。
自律神経でコントロールされていながら、じつはその呼吸方法は自分自身でコントロールできる身体活動の一つと言われています。
その呼吸が、どのように行われているのかについて、ご紹介します。
呼吸に関係しているのは、背骨と胸の中心にある胸骨、それと背骨と胸骨の間にはっている12対の肋骨で囲われた「胸郭」という部分と、胸郭の下部にまるで内臓に蓋をしているかのように張っている横隔膜です。
呼吸とは、胸郭の周囲についている肋間筋が収縮して胸郭が拡大するか、もしくは横隔膜という筋肉が収縮することで下の方へ胸郭の容積が拡大することで行われます。
どちらの場合も、胸郭の中(胸腔と言います)が大気圧よりも低くなる(陰圧)になることで、大気との間で圧力の較差が生まれ、これによって肺が膨らませられることにより、空気が肺の中へ引き込まれるのです。
肺は、とても細かな肺胞の集まりでできていて、肺が膨らむときにはこの肺胞一つ一つが膨らみ、外界の空気が肺胞の中に入り込みます。
胸郭がしぼむ時、もしくは収縮していた横隔膜が緩む時、肺胞は小さくなることで、その中に入っていた空気を外界へ押し出します。
これによって肺胞の中の空気は常に新鮮な状態に保たれることになり、肺胞の周囲を走っている血管の中を流れる血液との間で、酸素や二酸化炭素のやりとりが行われるのです。
呼吸の方法には、3種類あります。
一つは胸郭のみが拡張する胸式呼吸、二つ目は横隔膜の収縮によってのみ呼吸が行われる腹式呼吸、三つめが胸式呼吸と腹式呼吸が同時に行われる胸腹式呼吸です。
胸式呼吸の場合は、中に収まっている肺の頭側半分ほどにしか空気は入らないのですが、腹式呼吸になると肺全体が膨らんでたくさんの空気を引き込むことができ、また息を吐き出す際にもより多くの二酸化炭素を排出できるといわれています。
ヨガで特に実行することが望まれているのは、腹式呼吸です。
後ほど、腹式呼吸によって得られる効果について、ご紹介します。

腹式呼吸には3つの効果があります

ヨガでは特に腹式呼吸が重要と言われますが、その腹式呼吸にはどのような効果があるのでしょうか。
一つ目には、血液循環を改善する効果があります。
呼吸では、胸郭もしくは横隔膜の収縮によって胸郭の中(胸腔)が大気圧よりも小さくなることで空気が引き込まれるというお話はしましたが、このとき胸郭の中発生している陰圧は、血液を心臓などの他の臓器から吸い上げる力にもなります。
これによって腕や脚の方にある筋肉や皮膚などにある血液が心臓や肺に戻ってくるようになり、また新たに酸素を大量に含んだ血液を全身に送り届けることができるようになるのです。
全身の細胞にたくさんの酸素を供給することができるようになるので、細胞の代謝が活性化します。
二つ目には、老廃物が浄化されるという作用です。
また、横隔膜が上下に動くことで腹部の内臓がマッサージされることによっても、老廃物が浄化されます。
三つめには、自律神経への作用です。
人間は日中の活動中、あるいは興奮状態にあるときには自律神経のうちの交感神経が緊張状態にあります。
腹式呼吸を行うことで、これとは逆の副交感神経が緊張するようになり、リラックスすることができるようになるといわれています。
これによって、気持ちが落ち着いてきて、イライラやストレスの緩和が可能になるのです。
ヨガでは、ポーズ(アーサナ)をとっているのと同時に、自分の身体や精神への集中が必要となります。
精神を安定させ、自分の体と心に意識を集中するには、腹式呼吸が最適というわけです。

腹式呼吸を意識できるポーズをとってみましょう

ヨガとは、適切な呼吸法である腹式呼吸を意識して行いつつ、自分の体と心に意識を集中させてその働きを良い方向へ向かわせようとするものです。
この呼吸法を意識して行いつつ、かつ自分自身の内面と向き合うことのできるポーズに、「シャバーサナ」というものがありますので、ご紹介します。
床の上に仰向けになり、お尻を軽く持ち上げて骨盤の後ろ側にある仙骨を床につけるようにしてから、お尻を床におろします。
両腕を一旦、天井の方向へ伸ばした後、胴体(体幹)に対して左右対称になるように横へ開きながらおろします。
このとき手のひらは天井の方へ向けましょう。
頭を一度持ち上げて顎をひいた状態のまま、後頭部を床へとおろします。
体全体の力を抜き、腹式呼吸を意識しながら、全身に力が入らないよう意識を集中することがポイントです。
このポーズを、5分程度は行います。
シャバーサナとは若干異なりますが、もしも腹式呼吸ができているか心配な方は、仰向けに寝た状態で両手を鳩尾もしくはお臍に当ててみましょう。
鼻から息を吸うときに、鳩尾もしくはお臍の部分が天井方向へ盛り上がるのを感じ取ることができれば、腹式呼吸ができている証拠になります。
先ほども述べましたが、呼吸は自律神経でコントロールされていながらも、自分自身でその呼吸方法をコントロールできる唯一の活動方法です。
普段意識していない分だけ、シャバーサナでいきなり腹式呼吸を上手に行うことが難しいという方もいらっしゃることでしょう。
その時は、鳩尾部分を両手で軽く押し、息を吸うときにその手を天井方向へ押し返すように意識してみましょう。

(まとめ)ヨガの呼吸法にはどんな効果があるのですか?

1.ヨガの腹式呼吸には血液循環の改善や自律神経を整える効果があります

呼吸の方法を変化させることで、全身状態や心の緊張状態までもが変化します。
腹式呼吸を行うことにより精神状態が安定するほか、全身の血液循環が改善し体の細胞の代謝が活性化します。

2.呼吸は自分でコントロールできる身体活動です

呼吸法には、腹式呼吸、胸式呼吸、そして胸腹式呼吸の3種類があります。
ヨガでは特に腹式呼吸を実施することが望まれています。
腹式呼吸ではより多くの空気を肺の中に取り入れることができることで、体内に多くの酸素を取り込むことが可能です。

3.腹式呼吸には3つの効果があります

腹式呼吸には、3つの大きな効果があります。
一つは全身の血液循環を改善する効果、二つ目には横隔膜の収縮によって内臓が圧迫され、老廃物の浄化が行われるというものです。
さらに、精神状態の安定化にも効果を発揮します。

4.腹式呼吸を意識できるポーズをとってみましょう

ヨガポーズの一つにシャバーサナがあります。
ただ寝ているだけのように見えて、実は呼吸法を意識したり、自分の体の状態を自分で観察したりして、瞑想を行うという実はとても難しいポーズです。

 

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