今年の夏も全国的な猛暑が予想されています。夏場に注意しなければいけないのが、熱中症です。熱中症は水分不足だけではなく、日頃から運動をしない方、汗をかきにくい方などがなりやすいといわれています。
熱中症対策には、暑さに順応できる身体を作る暑熱順化(しょねつじゅんか)が効果的です。今回は、暑熱順化のさまざまな効果や、暑熱順化のセルフチェック、おすすめ暑熱順化トレーニングなどを紹介します。
暑熱順化への知識を深めて、暑い夏を元気に乗り切りましょう。
目次
暑熱順化とは

暑熱順化(しょねつじゅんか)とは、徐々に身体を暑さに慣れさせることです。暑熱順化できていると、汗腺の発達や血流量の増加、体温調節機能の向上など、さまざまな効果が期待できます。
本来日本人は、季節の変化による寒暖差に順応していました。しかし空調環境が充実した現代では、この暑熱順化がうまくできずに熱中症になる方が増えているともいわれています。
まずは、暑熱順化の重要性やその効果について紹介します。
暑熱順化が重要視される理由
暑熱順化が重要視される理由のひとつに熱中症があります。人は暑くなると汗をかき、その汗が体温を下げて体温調節を行っているのです。しかし暑熱順化がうまくできないと、身体の中に熱がこもり、熱中症になるリスクが高まります。
コロナ禍が落ち着き、外出が増えてきた令和4年から熱中症で搬送される方が増加していることからも、暑さに慣れる暑熱順化が重要といわれています。
暑熱順化の開始に適した時期
暑熱順化は、暑くなる時期の前から備えることが大切です。実際に、暑い環境で業務を行う消防士は、春先から暑熱順化のトレーニングを取り入れているところもあるといいます。
気温が高くなってから急に暑熱順化のトレーニングをしても、すぐに身体が順応できずに体調を崩してしまうこともあるでしょう。そのため、まだ気温が高くならない4月~5月中旬頃から暑熱順化のトレーニングを始めるのがおすすめです。
暑熱順化の効果が出るまでの期間
暑熱順化の効果が出るまでの期間は、元々の体質や暑熱順化トレーニングの回数や量によっても異なります。一般的には、開始から1週間程度で汗をかきやすくなるなどの効果を感じはじめ、2週間程度で暑さに慣れたと感じる方が多いようです。
具体的な暑熱順化のトレーニング方法については後ほど紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
暑熱順化トレーニングで期待できる効果

暑熱順化ができるようになると、暑さに強くなり熱中症予防効果が高まるほかに、筋肉の強化や基礎代謝アップ、精神的な面での効果も感じられます。
暑熱順化のトレーニングで得られる効果を詳しく見ていきましょう。
筋肉が強化される
暑熱順化のトレーニングを行うことで、筋肉強化に期待できます。筋肉量が増えると、体力がついて疲れにくい身体になったり、背筋が強化されることで姿勢がよくなったりする効果を感じられるでしょう。
また、筋肉が強化されると、その分脂肪が減り、動脈硬化や肥満などの生活習慣病のリスクを下げられる可能性もあります。
基礎代謝が上がる
筋肉が強化されて基礎代謝量が上がると、運動をしていない安静時においても、消費エネルギー量が増え、糖や脂質を分解しやすい体質を目指せます。反対に消費エネルギー量が減ると肥満の要因となることから、暑熱順化トレーニングは健康維持にもよい影響を与えるといえるでしょう。
基礎代謝量が上がると、血流もよくなるため、冷え性や肩こり、腰痛などの症状が改善されるケースもあります。
精神的にリラックスできる
暑熱順化のトレーニングは、精神面にもよい影響を与えます。エクササイズをすると、セロトニンが生成されて幸福感が増大するためです。セロトニンには、自律神経を整え、交感神経と副交感神経のバランス調節を手助けする働きがあります。
特に5月は、鬱々とした気持ちになる5月病を発症する方が増えますが、このような精神的な症状の緩和にも暑熱順化トレーニングは効果的です。
暑熱順化できていない場合はどうなる?
暑熱順化ができていないと、体温調節がうまくできないために、熱中症になるリスクが高まります。また、暑熱順化ができていない人は、汗の量が少ないために塩分量の多い汗となり、体内のナトリウムを失いやすくなるでしょう。ナトリウムを失うと脱水を伴う熱中症になるケースもあるため、注意が必要です。
まずは、自身が暑熱順化できているのかをチェックリストで確認してみましょう。
質問:直近2週間の自身の行動を思い返し、当てはまる答えの点数を合計してください。
Q1.入浴(湯船に入ること)の回数は?
3点 2日に1回
2点 週に3日
1点 週に1、2日
0点 ほとんどなかった
Q2.汗をかく運動の回数は?
3点 週に5日以上
2点 週に3、4日
1点 週に1、2日
0点 ほとんどなかった
Q3.入浴・運動以外で汗をかいた回数は?
3点 週に5回以上
2点 週に3、4回
1点 週に1、2回
0点 ほとんどなかった
結果
7点~9点:暑熱順化できているようです。ペースを保ちながら熱中症対策を続けましょう。
4点~6点:汗をかく習慣が身に付いているようです。熱中症対策をしながら発汗行動を継続しましょう。
3点:汗をかく回数を少しずつ増やしながら、暑熱順化ができる身体づくりを目指しましょう。
1点~2点:汗をかく機会が少ないことから、熱中症になりやすい状態といえます。汗をかく回数を増やしていきましょう。
0点:暑熱順化できていないかもしれません。本格的な暑さが来る前に暑熱順化トレーニングを開始しましょう。
暑熱順化に適したおすすめトレーニング6選

暑熱順化できるようにするには、発汗を促したり、筋力量を上げたりするエクササイズが適しています。ここではおすすめトレーニング6選を紹介します。
なお、普段運動をしない方が暑熱順化トレーニングを開始するときには、取り組みやすいものから挑戦することが大切です。体調を確認しながら少しずつ運動量を増やしていきましょう。
ウォーキング
取り入れやすい暑熱順化トレーニングのひとつがウォーキングです。有酸素運動であるウォーキングは、脂肪燃焼効果が高く、継続して続けることで、健康維持に効果のある基礎代謝の向上にもつながります。
まずは一駅歩いてみる、毎日10分歩いてみる、など、身近な目標を定めて継続してみましょう。
サイクリング
サイクリングは足腰に負担がかかりにくいため、膝が痛い方やウォーキングやジョギングがつらいという方にもおすすめです。
また、自転車は環境に配慮した乗り物として近年注目が集まっています。普段の移動に活用するだけではなく、移動距離を伸ばして発汗を促したり、坂道を通るなどしてトレーニング量を上げていったりするのもよいでしょう。
入浴・サウナ
エクササイズが苦手という方は、入浴やサウナといった外部から温める方法で発汗を促してみましょう。最初は汗をかくまでに時間がかかっても、徐々に短時間でたくさんの汗をかけるようになってきます。
冷え性を改善できるほか、暑い環境に身を置くことで血行が促され体中に酸素が巡って頭がすっきりとする効果も期待できます。入浴やサウナ後には、十分な水分補給を行いましょう。
筋肉トレーニング
筋肉トレーニングは自宅でも行えるので、外でエクササイズをする時間がない方にも適しています。まずは1回約20分を目安に、週に2回~3回程度行ってみましょう。
初心者におすすめなのはスクワットです。慣れてきたら500mlや1Lのペットボトルを持って、身体に負荷をかけるのもよいでしょう。
ピラティス
部分的な筋力を向上させる筋トレとは異なり、全身にバランスよくアプローチできるピラティスは、エクササイズが苦手な方に向いている暑熱順化トレーニングです。
程よく強度があるので、体温上昇による発汗が期待できます。骨盤のゆがみや姿勢改善効果を感じられるのもメリットです。
ピラティスを体験する
ヨガ
ポーズと呼吸を組み合わせるヨガは心身に働きかけるため、リラックスしたいという方やストレスを抱えている方におすすめです。
特にホットヨガでは、スタジオ内にいるだけでも汗をかくので、汗をかきにくい体質の方に適しています。温度・湿度が高い部屋の中でヨガを行うことで、暑さに耐えうる身体づくりと精神面の向上効果が期待できるでしょう。
暑熱順化トレーニングの注意点とポイント

本格的な暑さになる前の暑熱順化トレーニングであっても、熱中症対策は必要です。また、暑さに早く順応したいと無理なペースで続けてしまうと、体調を崩すこともあるので注意しましょう。
無理なく楽しく暑熱順化トレーニングを継続させるために、押さえておきたい注意点とポイントを紹介します。
熱中症リスクが高い時期は体調に注意
暑熱順化トレーニングは熱中症対策に効果がありますが、そのためのトレーニングで熱中症になってしまっては意味がありません。
特に気温や湿度が高い日には、以下のような熱中症対策をしっかり行いながら、トレーニングをすることが大切です。
- こまめな水分補給
- 大量に発汗したら、水だけではなく塩分も補給する
- 体調を見て休憩をはさみながら行う など
身体が慣れるまでは無理をしない
暑熱順化トレーニングは1日で完了するものではありません。2週間程度の時間をかけて、ゆっくりと慣らすことで、体調が悪くなるのを防いだり、ケガのリスクを軽減させたりします。
まずは、自分の身体と相談しながら、発汗量を増やし、基礎代謝を上げるためのトレーニングを行いましょう。無理のない範囲で徐々にトレーニングの回数や量を増やしていくことが大切です。
汗をかきやすい服装を心がける
日頃から、汗をかきやすい服装にするのも暑熱順化のポイントです。不快さを感じない程度に、通気性のよいゆるりとしたパーカーを羽織ったり、吸汗速乾素材のインナーを取り入れたりなどの厚着をしてみましょう。
また、冷房温度を少し高めに設定して室内温度を上げるのも、身体を暑さに慣れさせる方法のひとつです。冷房を弱にする、温度を少し高めに設定するなど、無理のない範囲で暑さに耐えうる体質を目指しましょう。
継続が難しい方はスタジオに通う
暑熱順化トレーニングは継続が必要です。無理なく続けるためには、楽しいと思えるエクササイズを取り入れたり、取り組みやすいメニューから始めたりするとよいでしょう。
しかし、自分ひとりでは継続するのが難しいという方もいるのではないでしょうか。そのような方は、スタジオに通うのがおすすめです。
スタジオでは指導者のもと、さまざまなメニューを行えるので、自分に合う暑熱順化のトレーニングを見つけられるでしょう。
ピラティス・ヨガのレッスンならzen placeがおすすめ

暑熱順化トレーニングは、夏の暑さに負けない身体づくりに効果的です。暑熱順化できると、熱中症になりにくい身体になるだけではなく、基礎代謝が上がり、精神的な安定をもたらすなどの効果にも期待できます。
暑熱順化トレーニングにはさまざまな方法がありますが、より早く効果を感じるには、専門知識を持つエデュケーターが在籍するスタジオに通うのがおすすめです。
ピラティス・ヨガスタジオ「zen place」では、ピラティス・ヨガの体験レッスンを随時受け付けています。暑さに負けない身体になりたいという方は、ぜひzen placeの体験レッスンに申し込んでみてください。
参考:『総務省消防庁 令和5年(5月から9月)の熱中症による救急搬送状況』
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