「赤ちゃんを授かりたい」と思った時にはすでに30代、40代という人も増えています。また結婚してから長年にわたり不妊治療を続け、焦りや不安ばかりが大きくなり、ストレスを抱えながら頑張っている人も多くいらっしゃいます。
妊活をポジディブに進めるためには、身体の変化に伴ったケアが必要です。
特に40歳前後の女性は、身体の分岐点にいます。生活習慣によって細胞やホルモンバランスに大きな個人差が出てきます。「からだ年齢」を若かく保ち、妊娠しやすい身体づくりを目指したいですよね。自分の身体とうまく向き合いながら、アラフォー世代に起こる変化に対応できるようにしましょう!
目次
1.若返りホルモン「DHEA」
妊活や不妊治療の中で、ホルモンバランスを整えることはとても重要なことです。
女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)は10代から増え始め、20歳前後~35歳ごろまでがピークとなり、その後減少していきます。特にエストロゲンの影響は大きく、生理不順や不妊症、早くから更年期障害で悩む女性も少なくありません。
乱れがちなホルモンバランスを整え、若々しさを保つのに重要なのが「DHEA」です!
別名「マザーホルモン」「若返りホルモン」とも呼ばれ、男性ホルモンや女性ホルモンだけでなく、さまざまホルモンの源になっています。
このDHEAを減少させてしまう一番の原因がストレスです。アラフォー世代は、仕事ではキャリアを積み、家では家事・育児と役割が増える時期です。周りの人と比べられることも多いかもしれません。
ストレスで減少してしまうDHEAですが、適度に筋肉を動かすことで分泌を促すことができます。運動はストレス発散にもなり、減少自体を抑えることもできますね。DHEAの分泌には、ハード過ぎず、軽すぎない運動を選びましょう!
<DHEA分泌を促すおすすめの運動>
- ピラティス…コアや背骨、呼吸への意識を高め、無理なく身体のバランスを調整。
- ヨガ…DHEA分泌にはリラックス系よりもパワーヨガ、アシュタンガヨガなどがおすすめ。
2.からだの酸化を防ぐ
細胞を老化させてしまう原因に「酸化」と「糖化」があります。
私たちは呼吸をしながら酸素を取り込み、エネルギーを生み出すと同時に「活性酸素」が発生します。この活性酸素はタンパク質や脂質を酸化させるため、「身体のサビ」と言われています。
活性酸素を毒性の弱い物質に変えてくれるSOD(除去酵素)が、40歳前後を境目に減少するため、酸化しやすくなり細胞の働きが低下します。
SODの代わりに、食事から「抗酸化作用のある栄養素」をしっかり摂るようにしましょう!
<抗酸化作用のあるおすすめ食材>
- 人参、パセリ、しそ、ほうれん草、春菊、ニラ(βカロチン)
- イクラ、鮭、エビ、カニ(アスタキサンチン)
- かぼちゃ、アボカド、魚介類ナッツ類(ビタミンE)
- 赤ワイン、ココア、チョコレート、そば、玄米、ターメリック、ベリー類(ポリフェノール)
- りんご、玉ねぎ、春菊、大豆、緑茶、紅茶(フラボノイド)
3.からだの糖化を防ぐ
一方で、糖化は「身体のコゲ」と言われています。摂り過ぎた過ぎた余分な糖が、脂肪やタンパク質と結びつきAGE(糖化最終生成物)という物質になり、細胞を劣化させます。
細胞が劣化すれば妊娠しにくいのはもちろん、シミ・シワ・くすみなど肌トラブル、内臓や血管の機能低下、動脈硬化やアルツハイマーなどのリスクも高まります。
食後の血糖値が上昇するときにAGEは作り出されます。血糖値が高くなるほどAGEも増えるので、血糖値を急上昇させないことが大切です!
<糖化(AGE)を抑える栄養素>
- 酢、レモン(クエン酸)
- 鶏むね肉(カルノシン)
- キノコ類(ビタミンB群)
- 緑黄色野菜(αリポ酸)
<低GI値=血糖値が上昇しにくい食品>
- チーズ、ヨーグルト
- りんご、バナナ
- ほうれん草、ブロッコリー、大根、ピーマン、葉物野菜
- そば、春雨、ナッツ類、キノコ類、豆類、玄米、全粒粉パン
※糖質の多い食材は摂り過ぎに注意し、オリーブオイルと一緒に摂取すると血糖値の急上昇を抑えられるのでおすすめです。また食事はゆっくりと20分以上かけて食べるようにしましょう。
まとめ
アラフォーからの妊活は、細胞の劣化・老化との戦いでもあります。年齢に負けない体づくりは、若返りホルモン「DHEA」の分泌と、からだを「酸化・糖化させない」ことがポイントです。
また年齢に関わらず、「基礎代謝を上げる」「骨盤ケア」「子宮まわり血行を促す」「自律神経を整える」など、妊活の基本的なことも大切にしましょう!
全てにおいて食事・睡眠・運動のバランス、生活習慣が大事と言えるでしょう。
そして何よりストレスを溜め込まないように、心を落ち着かせる時間をつくりましょう。ピラティスやヨガは体づくりだけでなく、そういった心の声に向き合える時間となるはずです。
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