ピラティスをする女性

マインドフルネスとヨーガの関係とは?

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マインドフルネスコラム、第二回目は「マインドフルネスとヨーガ」というお題でお話しを始めたいと思います。
皆さんは、ヨーガと聞くと、どんなイメージをおもちでしょうか?難しいポーズを取る体操、体によさそう、体が柔らかくなりそう、やせそう、アンチエイジング、体が硬い人はできない、宗教っぽくて怪しいなどなど、いろいろとイメージがあると思います。
しかし、実はどれも大きく的外れです。マインドフルネスと、ヨーガ、実はとても密接なつながりがあります。今回は、ヨーガの事と、マインドフルネスのつながりをお話しし、その理解を深めていただければと思います。

ヨーガの目的

ヨーガにおける最古の古典ヨーガスートラに、ヨーガの目的は次のように記載されています。
「ヨーガの目的は心の作用を止滅することである。」
ヨーガはこの一文につきるといっていいでしょう。でも、’心の作用を止滅’というと、難しそうな感じがしますね。
まず「心の作用」とは、常日頃私たちが思考してしまう心の働きの事を指します。一日の日常生活で、私たちは<18万回以上>の思考をしているといわれています。それほど、私たちは多くの事を考えています。未来の事、過去の事、良い事、悪い事など自分で評価して判断しています。それをしないようにするのが「止滅」という事です。
「止」は止めるという意味より、ある対象物に対して、注意を向けて集中し続けるということです。心を集中して留め、その結果、思考が止まるといった意味合いです。
そして、「滅」ですが、注意し続ける事により、自分自身が「虚」になることです。言い換えれば、脱中心化(自己中心的でなくなる)が起こっていくことです。つまり、すべての物事は自分中心ではなく、すべてつながり(関係性)で成り立っている、というころに気づき続けているという事に行きつきます。
それは、一つであるという事です。元々ヨーガの言葉の語源も、つなげるとか融合するという意味からきています。それがヨーガでありその目的という事でしょう。

マインドフルネスを深めるために~ハタヨーガ/アーサナ(ポーズ)~

現在、いろいろなヨーガ諸流派、顔ヨガ、笑いヨガ、アロマヨガ、アイアンガ―ヨガ、パワーヨガ、経絡ヨガなどなど、何でもかんでもヨガの前に何かつけて、ヨーガとなっていますが、ポイントは、運動を介するヨーガはハタヨーガが起源という事です。このあたりも誤解なく理解しておくと良いでしょう。本来、種類は多くありません。
次に、ハタヨーガのアーサナ(ポーズ)の効果についてです。まだ、あるかもしれませんが考えただけでも以下の効果があると思います。
・有酸素運動→体力UP
・等尺性収縮運動(アイソメトリック)→筋力UP
・注意集中力トレーニング(バランスのポーズ等)→集中力UP
・柔軟性強化(ストレッチの要素)→筋肉柔軟性UP
・内受容感覚トレーニング→感覚器官UP
・リラクゼーショントレーニング→回復力・免疫力UP
・忍耐力強化(アーサナキープを続ける)→受容力UP
・筋肉の柔軟性回復・血流促進による身体の痛みの軽減
このような効果の積み重ねで、体にとって好ましい効果がでてくるのでしょう。
アーサナを日本語で訳すと「坐法」と訳されます。坐り方、正しい坐り方を見つける方法が、アーサナの本来の意味だったのでしょう。つまり、メディテーションを行いやすい体を作るという事です。
そして、マインドフルネスを深めるための要素として、「集中力」というものはなくてはならない要素です。アーサナでそれを強化していく事はとても大切なことになります。また、アーサナを行っていると、瞬間瞬間の身体の変化も感じ取りやすいので、マインドフルネスをトレーニングをしていく上で、アーサナはとても役立つものです。
さらに、アーサナで私たちは安定して坐れる身体を作り、坐禅・マインドフルネス瞑想をしやすいからだを手にしていくことができます。坐れる身体をしっかり作っていないと、坐禅・マインドフルネス瞑想の良さや深まりがわからずに、痛みだけで終わってしまいます。そうならないためにも、ハタヨーガにおけるアーサナは、マインドフルネスを深める上で、大切な要素の一つになります。
ジョン・カバット・ジン氏も、ワークショップの中で、ヨーガほど優れたものは人類史上いまだない、とお話しされていました。
ヨガから派生してうまれたともいえるピラティスも、上記、ヨーガと同様の効果がありますので、マインドフルネス瞑想のしやすい身体をつくりあげるとも言えます。

マインドフルネスとラージャヨーガ

次にラージャヨーガを取り上げていきたいと思います。
ラージャは王様という意味になります。王様というと、一番良いものだという感覚ですが、そういうことではなく、メディテーションする準備がハタヨーガでできた、次の段階にラージャヨーガがあると考えた方がいいでしょう。メディテーションをするヨーガという事です。
また、ハタヨーガ・ラージャヨーガともに、奥深いものであり、常に二つのヨーガは相互に関連しあったものでもあります。
そして、マインドフルネスとラージャヨーガの関係ですが、ラージャヨーガは心の観察を行っていくことを行います。それは、集中力をもって、身体感覚や心のメカニズムに注意を向けていくというやり方です。マインドフルネス瞑想と非常によく似ています。
メディテーションの方法についても、坐禅・ヴィパサナ―瞑想・ヨーガ瞑想法などそれぞれ手法が異なりますが、相互に影響を受けているところもあります。そして、それらはマインドフルネス瞑想でも行うような方法もあり、切り分けが難しいところが実際のところでしょう。瞑想については、今後の、マインドフルネスと瞑想の回に詳しくお話ししたいと思います。
いかがでしたでしょうか。
マインドフルネスの実践を行うにあたって、ヨガはとても役に立つものなのです。

<ライター>

長谷川 洋介uid000001_2014011323060468f6bfd0
医療法人和楽会 ヨーガ講師。東京マインドフルネスセンターにて指導。
法政大学卒業。2006年ヨーガを始める。
「マインドフルネスは今を大切に生ききることです。そして、マインドフルネスは生活の中で実践していくことがとても重要です。センターではヨーガやメディテーション等を通じ今に意識を向け、いろいろな気づきを得る練習をします。マインドフルネスを皆さんと一緒に実践し心と体を調えていきましょう。」
(社)ヨーガ療法学会 ヨーガ講師養成講座修了
東洋鍼灸専門学校卒業
鍼灸師(国家資格)
あんまマッサージ指圧師(国家資格)
ジョン・カバットジン博士「MBSRワークショップ」修了
介護予防運動指導員
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