あぐらをかき話す男性

ヨガ解剖学講師・高村昌寿さんが実践する、自分らしいライフスタイルを実現するための3つの方法

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ヨガ解剖学」の講座が人気のヨガ講師・高村昌寿さん。他にも鍼灸整骨院、ヨガインストラクター養成、古民家の運営、さらには畑仕事と幅広く活躍しているが、その全てにおいて「自分の好きなことを仕事にできている」という。 一方で4児の父親としての顔も持ち、千葉にある古民家で子供たちに農的な暮らしを体験させるなど、公私ともに自分らしいライフスタイルを実現できている。「そこには3つの秘訣がある」と高村さん。その半生から、自分らしいライフスタイルを実現する方法を探った。

【1】「10個の仕事をする」ことで冒険できる

冒頭で触れたように、高村さんは様々な仕事に携わっている。医療的知識とヨガの知識を融合させた「ヨガの解剖学」の講座、さらにそこから派生した骨盤ヨガ、経絡ヨガ、リリースヨガの3つのオリジナルの方法論を全国で発信中だ。千葉県・酒々井町の自宅で営む鍼灸院はヨガスタジオを併設し、その傍らでは畑仕事や子供向けのワークショップも手がけている。 そんな高村さんが掲げる標語の一つは「10個の仕事をする」というものだ。 高村さんが初めてこの考えに出会ったのは、約10年前のことだった。当時の高村さんは妻と一緒に伊豆高原の断食道場で住み込みで働き、ヨガや食事療法の指導にあたっていた。周りにいたのは、自給自足的な生活を送る多くの仲間。その中で知ったのが、塩見直紀さんの書いた『半農半X』という本と、その考え方だった。 半農半Xの基本的な考え方は、軸足の半分を持続可能な農業に置くことで、残りの半分で自分のやりたいことや、才能を活かした挑戦的な仕事に安定的に取り組むというものだ。その考えに感銘を受けた高村さんは居ても立ってもいられず、塩見さんのいる京都まで会いに行った。そこで塩見さんから直接もらったアドバイスが「10個の仕事をするといい」というものだったという。 「10個の仕事をするというとかなりの冒険をしているように聞こえるかもしれないですが、実際にはその逆です」と高村さんは言う。 「多くの人がそうしているように一つの仕事に専念するということは、それが嫌になっても、うまくいかなくなっても、結局そこから逃れられないということです。一方で複数の仕事をしていればリスクヘッジになるし、失敗しても大丈夫と思えば大胆な挑戦もできます」 半農半Xは農業とそれ以外にもう一つの仕事をするということだが、2個よりも10個の方がよりいいだろう、というのが「10個の仕事をする」ことを推奨する理由だ。

【2】「ゴマ粒理論」で自分の個性を見つけよう

「10個の仕事」を実現できれば、確かにリスクを顧みることなく好きな仕事にも挑戦できそうだ。だが、そんなことが本当に可能なのか。どんな仕事を、どうやって増やせばいいのか。それを考える上で有効なのが、2つ目のポイントである「ゴマ粒理論」だという。 無数にあって見分けのつかないゴマ粒も、いくつかの条件で絞り込んでいけば、最終的には他とは違うたった一つのゴマ粒に行き着く。そのようにして考えれば、誰しも自分にしかない個性=スペシャルな価値を見つけることができるというのが、ゴマ粒理論の根幹となる考え方のようだ。 現代的にいうならそれは、「ググる」際の検索ワードのイメージとも表現できる。 「例えば【ヨガインストラクター】で検索して数万件がヒットしたとします。これに【男性】という検索ワードを加えれば、途端にその1割ほどに絞られます。【東京・千葉】で絞ればさらに半分。【鍼灸の資格をもつ】、【講演活動をしている】を加えれば残るのは数人でしょう。自分が今の仕事ができているのは、特別な才能や知識、技術を持っているからではありません。こうやっていけば誰しも、自分の個性、言い方を変えるなら自分なりの人生のミッションにたどり着くことができるのです」 あとはそれを仕事にすればいい、ということだ。そこには儲かる儲からない、成功するしないという打算はない。だからこそ、どこまでいっても純粋にその道を追究することができる。 さらにそこに「10個の仕事をする」が融合することで、ものすごい強みを発揮できる、と高村さんは続ける。それは先述したように、リスクヘッジができているからそれぞれで冒険できるという意味もあるし、2つ以上が結びつくことで、新たな価値が生まれることもある。「ヨガの解剖学」はその典型。医療的知識とヨガの知識を併せ持つ高村さんだからこそ形にできた新たな価値だった。

【3】「リリース&スペース」で自然とあるべき姿に

順風満帆に見える高村さんのキャリアだが、もちろん全てが最初からうまくいったわけではない。伊豆から千葉へと戻り、整骨院を開業して数年。当初は妻と2人で運営していたが、順調に患者が増えてきたことで、ある時スタッフを雇うことにした。「これが失敗だった」と高村さんは振り返る。 「いつのまにか自分がやっている仕事は、自分が好きでやることに決めた10個の仕事のどれにも当てはまらない、人事管理やお金の計算になっていたんです」 この危機を脱出するのに生きたのが、ヨガの「手放す」ことをよしとする考え方だったという。 「昨年9月に、治療スタッフ3人がほぼ同時に独立のために辞めたいと言ってきたタイミングがありました。これを事業の縮小と捉えるのではなく、再び自分がやりたいことに専念するチャンスだと思うことができたんです。すぐに整骨院を縮小し、敷地の半分をヨガスタジオにしてしまうという決断をすることができました」 西洋の文化では足し算の発想が主流だ。健康になろうと思ったら、ジムに通い、サプリメントを摂取し、テレビで取り上げられた新しい健康メソッドにすぐに飛びつこうとする。しかし、人にはキャパシティーというものがある。「足し算の考え方で限られたスペースを埋めてしまっては、何かを成し遂げることなどできない」と高村さんは言う。 逆に何かを失うことは、自分のキャパシティーにスペースを作る。スペースができれば、有益なものは自然と、タイミングよく入ってくる。これがヨガの考え方だ。そう、まるで呼吸のように。 「健康になりたいと思ったら、ジムに通おうとかベジタリアンになろうとか、何か特別なことをする必要などないのです。夜更かしを止め、深酒を止め、儲けるためにあくせく働くことを止めたら、自然と健康になっていく。早起きをしようと身構える必要だってありません。趣味の時間として使っていた夜の2時間を手放して早くに寝れば、自然と早くに目が覚め、結果的に素晴らしい朝の時間を手にすることができるのです」 必要なのはただ「手放す」こと。そしてそのタイミングは自然と訪れるというのが、ヨガの考え方のようだ。

自分らしく生きるためのヨガというツール

聖なる呼吸』というヨガのルーツを描いた映画がある。この映画を見た高村さんが目を引かれたのは、話の本筋とはなんの関係もない、時間にして数秒のあるシーンだったという。現代ヨガの源流とされるクリシュナマチャリア師が、食べ物がまだ半分近く残っている皿を何の躊躇もなく捨てるシーンだ。 一般的には、出された食べ物は全て食べるのが倫理的・道徳的に正しいことと教わるものだ。だが、「本当にそれは無条件に正しいことだろうか?」と高村さんは問いかける。 「実際に食べ物を捨てるかどうかは別にして、そうしたルールは、自分とは何の関係もない誰かが、その人の体調も体質も身体の大きさも考えずに一様に決めたものでしょう。でも本来、自分にとってその食べ物が必要かどうかは、自分の身体こそが知っているはずです。ヨガの修行をしているクリシュナマチャリア先生は、自然とそれを体現していたのです」 私たちの生活は西洋的な足し算の考え方に支配されている。そして私たちは、支配されていること自体になかなか気づけないでいる。 しかし、自分らしく生きるためには、誰かが決めたそうしたルールに盲目的に従うままでは難しい。そうではなく、自分がどう感じているのか、自分にとって何が必要なのか、自分の身体が発する内なる声に耳を傾ける必要があるだろう。 「ヨガをやっていると、それが容易にできるようになる。その意味で、ヨガは自分らしく生きるためのツールと捉えることもできるのではないでしょうか」 text by Atsuo Suzuki [aside] 高村 昌寿(タカムラ マサトシ)さん 2008年千葉県酒々井町にルーラル鍼灸整骨院を開院。 4児の父、家族全員が楽しめる「10個の仕事をする」を実践しながら、 整骨院、講義活動、畑仕事など幅広く活躍する。 東京、千葉を中心に全国で、ヨガ解剖学のヨガインストラクター養成講座、整体マッサージや解剖学、東洋医学の講座などの活動を行い、柔らかい物腰と、笑いの絶えないわかりやすい講座は受講者から好評である。 http://ameblo.jp/kaibougakutyouseihou/ [/aside]]]>

 

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