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ヨガの呼吸法「止息」には心をコントロールする効果があるといわれています
普段私たちが何気なく行っている呼吸は、実は自律神経がコントロールしています。
この呼吸を意識的にコントロールすることで集中力を高め、心身ともにリラックスさせ心の落ち着きを取り戻し、心をコントロールできるようになっていきます。
まずは普段の呼吸を観察してみましょう。
呼吸と心には意外な深い関係があります
呼吸と集中力、感情、何の関係もないように思えるかもしれませんが、実は深い関係があります。
私たちは日常でも無意識に自然と集中力を高めようとするときには、呼吸を止めていることをご存知ですか?
自分の呼吸を確認してみましょう。
意識して呼吸をしたことがない人がほとんどかと思いますが、私たちは息を吸うときには交感神経を、息を吐くときに副交感神経を刺激しています。
何か緊張したときに、息が浅く短くなったのを感じたことはないでしょうか。
びっくりしたときなどはハッと短く息を吸いますが、これは瞬間的にストレスを感じて無意識のうちに交感神経が優位になるように刺激しているためです。
逆にリラックスしているときは私たちは自然と、ゆっくりとした呼吸をしています。
人はストレスを感じたときに長いため息をつくことがありますが、これはストレスから解放されるために無意識にリラックスさせる働きのある副交感神経を優位にしようと刺激しているのです。
このように私たちの体は無意識にその場に応じた呼吸を行って、集中力やストレスに対応しています。
しかし、心をコントロールするということはそう簡単にできることではありません。
ヨガの呼吸法である「止息」を身に付けることで呼吸をコントロールできるようになり、それが心のコントロールにつながっていきます。
止息をやってみましょう
ヨガの「止める呼吸法」のやり方も様々ですが、基本的なやり方を紹介します。
- 6秒間で息を吐き切ります
目は閉じて呼吸に意識を集中させましょう。
このとき暗い気持ちなどを身体の外に吐き出すようなイメージで行うのがポイントです。 - 2秒かけて鼻から息を吸います
さわやかで明るい空気を体内に取り込むイメージで息を吸っていきましょう。 - 4秒間息を止めます
この1~3の動作を繰り返しましょう。
呼吸に意識を向けることと、ゆっくりと息を吐くことはヨガの呼吸法の基本で、吸うよりも吐くことを意識するようにしましょう。
上記の止息のやりかたでは「吸う:止める:吐く=1:2:3」になっていますが、このほかにも「1:4:2」のヨガの代表的な呼吸法があります。
その場合「吸う=2秒、止める=8秒、吐く=4秒」となりますが、止める時間が長くなると身体への負担が大きくなります。
まずは短い時間で無理をしない程度に練習していき、慣れてきたら時間を少しずつ延ばしていくようにしましょう。
息を吸った状態で息を止めると、胸腔内の圧が上がって肺へ戻ってくる静脈血が減少してしまいます。
すると心臓から送られる血液の量が減り、全身の血液の循環が悪くなる可能性もあります。
一般的に修行でなく健康のために行う場合は、止める時間を長くし過ぎないほうがいいでしょう。
呼吸が浅くなっていないかチェックしてみよう
ストレス社会を生きている現代人は呼吸が浅く短くなってきているといわれていますが、具体的に呼吸が浅くなるとどのような影響があるのでしょうか。
呼吸が浅いと起こりうるリスクには次のようなものがあります。
- イライラしやすい
- 身体の冷え
- 集中力がなくなる
- 不眠症など眠りが浅くなる
- 病気にかかりやすくなる
- 自律神経の乱れ
- 肌の老化
呼吸は気持ちと関係しているので、ストレスや悩みなどがあると呼吸が浅くなってしまいます。
浅い呼吸が続くと自律神経が乱れたり血行が悪くなったりして、免疫力が低下してしまいます。
また、脳は他の臓器よりも10倍もの酸素が必要だといわれており、呼吸が浅いと十分な酸素を脳に送ることができず、集中力が低下したり頭がぼんやりしたりといった症状が現れます。
呼吸が浅い場合は、ヨガの腹式呼吸を意識的に行っていきましょう。
(まとめ)ヨガの呼吸法「止息」の効果とは?
呼吸は自律神経が支配しているため、止息という呼吸法で呼吸をコントロールすることにより集中力を高め、心をコントロールする効果があるといわれています。
止息はストレス社会で生活している私たちに、よい効果をもたらしてくれるでしょう。
私たちの体は集中力を高めたいときやストレスを感じたときなど、無意識のうちに呼吸をコントロールして対応しています。
この呼吸をコントロールすることができるようになれば、心をもコントロールすることができるようになるといわれています。
「止息」のやり方もさまざまですが、まずは短い時間から行い徐々に延ばしていきましょう。
あまり長く息を止めると身体にも負担がかかってしまうため、健康や心のコントロールが目的の場合は、止める時間をあまり長くし過ぎないように注意しましょう。
ストレスや悩みなどがあると呼吸が浅くなりやすくなります。
呼吸が浅いと免疫力や集中力の低下、自律神経の乱れなどの原因になります。
自分の呼吸が浅くなっていないかどうかチェックしてみましょう。