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マインドフルネスと慈悲の心

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今回のテーマは慈悲の心という内容です。
現在のマインドフルネスの定義では判断を入れず(non-judgement)
現在の瞬間に中心をおいた(present-centered)
気づき(awareness)
という部分が強調されています。
しかし、それだけでは今にきづいて入れさえすればよい
という狭い意味合いになってしまいます。
つまり、客観的で、冷酷な、冷たい人間性になってしまう危険性も
含んだものとなってしまうかもしれません。
そのため最近、欧米におけるマインドフルネスでは慈悲の心を養う事も
重要なポイントととらえられ始めています。
本来人間が生きているという事はどういうことか?
今回は慈悲を通しマインドフルネスを考えてみたいと思います。
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慈悲とは?

慈とはいつくしみのこころ、
他者に対してのやさしさ、
愛といったものです。
それは見返りを求めるというものではなく
無償の心持と思えばよいでしょう。
そして、悲とはかなしみのこころ、
他者の苦しみをくみ取れるこころのありようのことでしょう。
また、慈悲という心境は同情、共感といったものとも
違うものとされています。
同情や共感では相手と同化してしまうことがあり
自分自身のエネルギーを消費してしまうことがあります。
しかし、慈悲のエネルギーというものはそれとは別の感覚といえるでしょう。
自分自身を浪費せず安心、静寂な心を自分自身そして関係する相手にも広げることができる。
そういった心持を慈悲の心ととらえても良いかもしれません。

慈悲の瞑想

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以前も少し紹介しましたが慈悲の心を育てる、
慈悲の瞑想という瞑想法があります。
まず、慈悲の瞑想は次のように進めます。
順番は自分自身、親密な人、中生の人、嫌いな人、すべての生き物、
そして最後にもう一度自分自身に意識を向けていきます。
そして、その内容は安全、幸福、健康、平静といった事を願う事をおこないます。
私(対象者)が安全でありますように
私(対象者)が幸せでありますように
私(対象者)が健康でありますように
私(対象者)が心安らかに暮らせますように
この瞑想は仏教でいう四無量心という、
四つの要素を強めるトレーニングでもあります。
四つの要素とは慈(loving-kindness)、
悲(compassion)
喜(empathic joy)
捨(equanimity)ということです。
慈悲については始めに述べましたのでここでは触れません。
喜は他者のよろこびも素直によろこぶ心といった意味合いです。
そして、捨は執着をしない、欲であったり、怒りであったりと
生きる上での煩悩を捨てる心もちのようなものを捨ととらえると良いかもしれません。
そして、この四無量心は貪・瞋・痴という欲望・怒り・混乱といった、
手放していくべき要素とは反対に自分自身の内側で育て上げていくと
良いとされている要素になります。
そうとはいえ、私たち人間のこころ模様はとても複雑です。
例えば先に兄弟が結婚して幸せだったりします。
このような時、私たちは祝福する心持ちがあったり逆に妬ましく、
羨ましく思う心も同時に出てきてしまったりします。
複雑な入りみだれたような心境になる事があると思います。
先ほど出てきた貪・瞋・痴の状況です。
しかし、その妬み、羨望などのマイナスな感情に気づきを向け消化してしまえば、
素直に祝福する気持ちだけを増やすことができます。
そのように、慈悲のこころを自分自身の中で努力し育てていく事が大切なことです。
いつまでも、妬み羨んでばかりでは、自分自身先へと進むことができなくなってしまいます。
手放すべきものは捨てて、やさしさや思いやりを育て自分自身を成長へと導きましょう。

他者との関係性

慈悲というと一見マインドフルネスとは関係の内容に感じるかもしれません。
しかし、その本質は人間が生きていく上でとても大切な気づきを与えてくれる要素になります。
それは、他者との関係性に気づきを与えてくれるという事です。
今まで関係してきた人たちに慈悲の心を向けることで、
その人との関係性、楽しい感じ、悲しい感じ、怒った感じ、喜んだ感じ、嫌いな感じ、
好きな感じその他にも言葉にできないような感覚がやってくるでしょう。
そして、そのような感覚をすべて受け取り、感じ取ることができれば、
本当の意味での他者との関係性に気づくことができるでしょう。
自分は一人では生きていない、いろいろな人たち、
生きているものすべてに支えられて今この時を生きているということ、
そして、それに気づき実感するということです。
慈悲は日本語一言でいえば「やさしさ」となるかもしれませんが、
その「やさしさ」はただ他人に対して親切にするというものだけではなく、
もっと大きく包み込むような意味合いを含んでいます。
時には相手のためを思いあえて叱ったり、
厳しい状況に追い込んだりすることも慈悲心から来ていることもあります。
嫌いな上司が部下へきつい仕事を回すような状況も
実は上司は部下に期待をかけていたりします。
部下は知らずに文句ばっかりを言いながら仕事をしてそれには気づかない。
よくあることかもしれませんが、部下の成長のため厳しい仕事をさせている上司、
そして、成長するために一生懸命に努力する部下といった当事者同士が
正しい関係性に気づけるようになるとよいのかもしれません。
そのためには、慈悲の心をしっかりと育て上げることが
人間関係の構築の上でも重要なものとなるでしょう。
googleやゴールドマン・サックスなどの一流企業が続々導入し、アメリカでは一般市民レベルで大きな飛躍を見せている「マインドフルネス」。
一過性のブームではなく、現代人老若男女問わず必要とされるものとして認知されています。
科学的にもその効果が証明されており、ますます今後広がっていくと考えられます。
BASIピラティスはマインドフルムーブメントにフォーカスしたクラスを行うピラティス専門スタジオです。
BASIピラティス HP:basipilates.jp

<ライター>

長谷川 洋介uid000001_2014011323060468f6bfd0
医療法人和楽会 ヨーガ講師。東京マインドフルネスセンターにて指導。
法政大学卒業。2006年ヨーガを始める。
「マインドフルネスは今を大切に生ききることです。そして、マインドフルネスは生活の中で実践していくことがとても重要です。センターではヨーガやメディテーション等を通じ今に意識を向け、いろいろな気づきを得る練習をします。マインドフルネスを皆さんと一緒に実践し心と体を調えていきましょう。」
(社)ヨーガ療法学会 ヨーガ講師養成講座修了
東洋鍼灸専門学校卒業
鍼灸師(国家資格)
あんまマッサージ指圧師(国家資格)
ジョン・カバットジン博士「MBSRワークショップ」修了
介護予防運動指導員

 

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