ピラティスはアメリカの4大スポーツ(NFL・MLB・NBA・NHL)のトレーニングに取り入れられているなど、近年スポーツ業界で注目されています。
まだまだ日本では知名度の低いピラティスですが、アメリカでは選手のロッカールームにピラティスで使うリフォーマー(器具)がおいてあったりと、当たり前のトレーニング方法として知られています。2015年にCy Young賞を勝ち取ったシカゴカブスのピッチャー「JAKE ARRIETA」は、ピラティスを取り入れてパフォーマンスを急激に伸ばした選手の1人です。
近年、日本でもプロ野球選手として活躍されている横浜DeNAベイスターズの三嶋一輝投手や北海道日本ハムファイターズの近藤健介外野手などがトレーニングにピラティスを取り入れたことで話題となり、徐々に広がりをみせつつあります。
そんなピラティスですが、アスリート選手のパフォーマンスの向上やけがの予防に非常に優れた効果が期待できます。今回は、ピラティスの効果やトレーニングに取り入れたい理由、野球プレイヤーにおすすめなピラティスポーズについて詳しく解説していきます。
ピラティスを体験する
目次
ピラティスとは
ピラティスは、独自の胸式呼吸やインナーマッスルに働きかける動きが特徴のエクササイズです。身体の中心部にある体幹やインナーマッスルを鍛えることで、身体のゆがみや身体の悪い癖が改善され、バランスのとれた身体になることを目的としています。
身体の中心のコアを安定させながら手足を滑らかに動かすことで、柔軟性が高まり関節の可動域が広がっていきます。結果として、肩関節や股関節の正しい動きを引き出すことにつながります。
もちろん体幹以外にも、四肢の筋肉強化、柔軟性の向上、筋持久力の向上が期待でき、野球選手にとってピラティスは運動時のパフォーマンスの向上だけでなく運動時のけがの予防にもなります。
ピラティスはリハビリを目的として考案されたエクササイズです
体幹を鍛えると聞くとハードなエクササイズをイメージされる方が多いかと思います。ピラティスは、もとは負傷した兵士のリハビリ目的に考案されたもので、身体に無理な負担をかけすぎずに行えるエクササイズと言えます。そのため、腰痛や肩こり、首こりなど体に不調のある人や高齢者でも無理なく取り組むことができ、身体の根本から変えていく(良くしていく)といった点では非常におすすめのエクササイズです。
ピラティスで硬く凝り固まった筋肉をほぐすことで、血流の流れが良くなる効果が期待できます。悪い姿勢を改善していくので、痛みや身体の不調の根本にアプローチでき、痛みの軽減と体調やコンディションの維持につながります。また、ピラティスにより骨盤が正常な位置に戻り、骨盤の上にある内臓の位置が良くなることで、内臓機能の向上も期待できます。むくみや冷え性、生理痛、便秘などでお悩みの方にもおすすめしたいエクササイズです。
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ピラティスをトレーニングにおすすめしたい4つの理由
1.上半身と股関節の連携により初動スピードや球速が上がる
野球において、腰(腰椎)の側屈と回旋の動く範囲(関節可動域)が狭いと、パフォーマンスが低下すると言われています。腰の可動域には制限があり、それほど広くないのです。腸骨(腰椎)自体が動かせる範囲について触れてみますと、前方へ50度(前屈動作)、後方へ15度(後屈動作)、左右へ20度(側屈動作)、ねじり方向へ5度(回旋動作)と言われています。想像していたより可動域が狭いと思われた方が多いのではないでしょうか。腰の動きの範囲が広く見えるのは、骨盤をはじめとした他の部位が腰の動きと連動しているからで、腸骨(腰椎)の動かせる角度以上に腰を動かしてしまうと腰を痛める原因に…。
そこで、上半身と股関節の連動が非常に重要になります。ピラティスで体幹部を安定させ、股関節の正しいアライメントを調節することで、上半身の動きに合わせて骨盤が正しい方向に動き、より正確な動作が実現可能になります。
インナーマッスルとアウターマッスルの筋力のバランスがとれ、しっかりと身体をねじることができるようになると、野手であれば初動スピードの向上や安定した送球が可能になります。バッティングにおいては、バットコントロールやより広角な打撃対応が可能になるよう動きを引き出せます。
2.ウエイトトレーニングのデメリットをピラティスで補う
ピラティスとウエイトトレーニングの相性は非常によく、相乗効果を生み出すことが期待できます。
実はウエイトトレーニングだけでは筋肉量や筋出量が上がる一方で、可動域が制限されて動きづらくなるというデメリットがあります。
ピラティスは骨盤や背骨、骨格などを意識しながら細かく丁寧に身体を動かし、正しい身体の位置を意識づけしていきます。その結果、可動域を広がり、細かく自分の各部位をコントロールできるようになります。お互いのメリットデメリットをうまく生かし、強くした体を自由自在にコントロールできるようになるのでパフォーマンスの向上がさらに期待できるでしょう。
3.運動時のけがの予防に一役立ちます
ピラティスでは、肩関節の動きを柔軟にすると同時に、肩回りのインナーマッスルを鍛えて肩関節をしっかりと安定させた状態を目指します。その結果、肩や肘のけがを引き起こしにくくします。
また、関節可動域が狭い状態(体が固い状態)で身体をねじると、腰に無理な負担が加わり、腰のけがにつながる恐れがあります。こちらもピラティスで股関節の動きを柔軟にすると同時に、腰回りのインナーマッスルを鍛えて体幹部をしっかり安定させ、結果として腰のけがを予防することにつながります。
4.疲労の回復に貢献
ここまでパフォーマンスの向上とけがの予防について話をしてきましたが、ピラティスをおすすめしたいもう一つの理由が疲労の回復に役立つことです。
選手は、練習中や試合中など常に緊張状態にさらされています。緊張した状態が続くと、呼吸の回数が増え、腹筋が抑制され、背筋が強くなり、背中に力が入った状態になります。この状態では良質な睡眠がとりづらく休息の間も疲労がとれにくくなってしまいます。
ピラティスを行うことで自然と呼吸を整える癖をつけることができますので、休息中にしっかり身体を休めることができ、疲労の回復につながります。
野球プレイヤーにおすすめピラティス
腰の回旋に使う中臀筋にアプローチ
クラム
1.肘をつき、膝をくの字に曲げて横向きになります。
2.脚をぴょんと跳ねあげるように浮かせ、上の膝を大きく開きます。
3.骨盤は正面に向けたまま、膝だけを外に向けて開いて閉じるを8回繰り返します。
※肘で床を押し返し続け、お尻のつっぱりを感じるところまで膝を開くのがポイントです。
投球動作に必要な肩周りのインナーマッスルにアプローチ
フロントサポート
1.四つばいから、腕立て伏せのポジションになります。
2.床スレスレで片膝を曲げて引き込み、戻します。
3.片脚ずつ交互に8セット行います。
※手で床を押し返し続け、頭を高く、お尻を低く保ちましょう。腰からではな股関節から脚を引き込めるとgood!
内転筋にアプローチ
サイドレッグアダクション
1.横向きに寝て上の足を浮かせます。
2.下の足を上の足に近づけるように持ち上げ、ももの内側を使って支えます。
3.なるべく浮かせ続けながら8回行いましょう。
※寝た時下のウエストを床の間に軽く隙間ができるよう、くびれを持ち上げておきます。
zen placeピラティスの特長
①質が高いエデュケーター
zen placeは、30年以上の実績を持つアメリカ最大級のピラティス教育団体「BASIピラティス」と提携しており、
何十時間という研修を積んでいるため、専門知識をもったエデュケーターとピラティスを学ぶことができます。
zen placeなら、正しい知識と経験のあるエデュケーターのもとでピラティスを楽しむことができます。
②全国の店舗の相互利用が可能
zen place会員になると、全国に100店舗以上あるzen placeの全てのスタジオが利用可能です。
仕事の日は職場の近くのスタジオで受講、休みの日は自宅近くのスタジオを利用するなど、ライフスタイルに合わせて受講するスタジオを選ぶことができます。
また、全国で行われているレッスンを、ライブ配信中継でオンライン受講することも。その日の体調や都合に合わせて教室が選べるのは、嬉しいポイントですね!
③自分に合ったレッスンが見つかる
zen placeではマットを使ったグループレッスンから1対1で行うプライベートレッスン、リフォーマーを使った、リフォーマーグループがあります。
レッスンの種類も豊富なため、最新のマシンがある環境で自分に合ったレッスンを見つけてみてください。
まとめ
いかがでしたか?今回は、「プロ野球選手もピラティスを導入!トレーニングにおすすめの理由」についてご紹介しました。
ピラティスの創作者であるジョセフピラティスの名言として語り継がれている「10回で違いを感じ、20回で見た目が変わり、30回で身体のすべてが変わる」という言葉の通り、繰り返しエクササイズを行うことで最初は意識して行わなければならない身体の動きが無意識に出来るようになっていきます。体を無意識にコントロールできるようになれば、自然とパフォーマンスが高まり、けがが少なくなるのを実感できるでしょう。ぜひ参考にひてみてくださいね。