近年、主にビジネスシーンにおいて「エンパシー(共感力)」という言葉が使用されるようになってきました。しかし、実際は「具体的にどういう意味なのかわからない」「理解しきれていない」という方も多いのではないでしょうか。
この記事では、 エンパシーの意味や概要と、ビジネス・対人スキルを向上させるメリットについて紹介します。 また、注意点や対策方法も解説するため、スキルアップを目指す方に必見の内容です。ぜひ参考にしてみてください。
目次
エンパシーとは

エンパシーは、他者と円滑な人間関係を築く中で重要とされるスキルのひとつです。ビジネスシーンだけでなく日常生活の中でも役立つため、エンパシーを身につけたいと考えている方は多いでしょう。ここではまず、 エンパシーの意味や類似する言葉との違いといった基礎知識について解説します。
エンパシーの意味
エンパシーは、「Empathy=共感、感情移入、自己移入」と和訳されており、相手の立場になって「何を感じているか」「どのように思うか」を想像する能力のことです。元々はギリシャ語「emphatheia=心の状態」に由来する言葉で、「自分自身の感情を表現する」「相手の感情に理解を示す」といった意味があります。
日本では、職場での人間関係を円滑化しようとする際に用いられることが多いようですが、自己表現が重要とされる美術や心理学、哲学などの分野でも幅広く使用されています。
エンパシーとシンパシーの違い
シンパシーは、思いやりや同情、共鳴などの意味を持つ言葉です。ギリシャ語の「syn=一緒」と「pathos=苦しむ」を組み合わせた言葉であるといわれています。
相手に共感するだけでなく、「可哀想に思う」「何かをしてあげたい」といった要素がある点が、エンパシーとの相違点です。 シンパシーは自分の立場で相手の気持ちに共感するのに対し、エンパシーは相手の立場になって理解を深めようとすることと考えられています。
エンパシーが重要視されている理由
エンパシーの重要性が高まっている理由は、近年AI化が急速に進んでいるためといわれています。 人工知能を搭載しているため、人間の性質や特性を機械的に学習することはできますが、相手の感情を読み取ったり寄り添ったりする能力はまだ保有していません。機械化によるコミュニケーション不足が不安視される中で、「相手の気持ちを想像する」という人間にしかできない能力の重要性が改めて注目されているのでしょう。
エンパシーの種類と概要

エンパシーには、「エモーショナル」「コグニティブ」「コンパッショネイト」「ソマティック」 の4つの種類があります。それぞれの意味や概要を確認し、理解を深めましょう。 「どのような部分を重視するか」「どの能力を高めたいか」を分析し、スキルアップを目指す際に役立ててみてください。
エモーショナル・エンパシー
エモーショナル・エンパシーは、「感情的共感」といい、相手の気持ちを推察し、価値観や考え方に共感を示すことを意味します。例えば、悲しい出来事に見舞われた人に、気持ちに寄り添った声かけをしたり励ましたりする際に役立つでしょう。
人間関係を円滑にするためには、エモーショナル・エンパシーを高めて信頼関係を構築していくことが大切です。 相手は「いつも自分のことを気にかけてくれてありがたい」「優しい」といったように、肯定的な印象を抱くでしょう。
コグニティブ・エンパシー
コグニティブ・エンパシーは、「認知的共感」といい、感情的共感ができないような相手を理解しようとすることです。感情ではなく頭を使って、相手は何を考えているか、なぜあのような行動を取るのかといったことを分析します。
日常生活を送る中では「自分と合わない」「苦手」と感じる相手と出会うこともありますが、嫌いだからといって全ての関わりを絶つことは難しいでしょう。 価値観の異なる相手と協力し合うためには、コグニティブ・エンパシーによってコミュニケーションを活性化させるとよいでしょう。
コンパッショネイト・エンパシー
コンパッショネイト・エンパシーとは、「コンパッション=思いやり、慈愛」と「エンパシー=共感」を結びつけた言葉です。ただ相手の気持ちを想像するだけでなく、実際にサポートするなどの行動を起こすことを意味します。
失業や病気、失恋といったようにネガティブな状況に陥っている相手に対して発動するでしょう。 苦しみや悲しみの原因は何なのか、どうすれば解決できるのかと考え解決に結びつけようと意識します。
ソマティック・エンパシー
ソマティック・エンパシーは、相手の苦しみや痛みを想像する中で、自分自身にも同じような状況が発生する現象です。例えば、体調不良者を見ていたら、自分も具合が悪くなってしまったといったケースが挙げられます。
このスキルが身につくと、 心身共に対象者と同じ状況に身を置くことで、より深く相手を理解できるようになるでしょう。身体から発せられるメッセージを享受する能力も高まります。
エンパシーを高めるメリット実生活の効果

エンパシーは近年注目を集めている概念で、個人だけでなく企業が組織的に対策を導入するケースも少なくありません。しかし、なぜ今ここまで重要視されているのでしょうか。ここでは、エンパシーを高めるメリットを紹介します。
コミュニケーション能力が向上する
エンパシーが高まると、相手に合わせた立ち居振る舞いができるようになるなどコミュニケーション能力が向上するといわれています。例えば、接客業での顧客対応や就職時の面接など、瞬間的な判断力が必要とされるようなシーンでも、スムーズにその場に応じた対応を取れるようになるでしょう。
また、人間は家族や友人、職場の同僚といった多くの人と関わり合いながら生活する生き物です。 エンパシーが高まれば相手の気持ちを汲んだ行動ができるため、より一層信頼関係が深まるでしょう。
発想力や想像力が養われる
想像力や発想力といった「考える力」が育まれるのも、エンパシーを向上させるメリットのひとつです。例えば、顧客の立場で今欲しいものを考え分析することで、ニーズに寄り添った商品開発が可能となるでしょう。また、パフォーマンス力が向上しポジティブな効果が生まれれば、新しいプロジェクトの立ち上げや企画の発案を任されるといったように、キャリアアップにつながることも考えられます。
ウェルビーイングにつながる
エンパシーが高まると、人間関係における相互理解を深めやすくなるでしょう。職場やママ友など複数人が関わる場において、良好な関係性を築けるようになれば、人間関係にかかるストレスを軽減できます。
ウェルビーイングとは、肉体的にも精神的にも、そして社会的にも満たされた多角的な幸福を意味します。 過ごしやすい環境の中で生活できるようになれば、人生の幸福感を高められるでしょう。
エンパシーが高い人・低い人の特徴
豊かな人生を送るためにも、「エンパシーを高めたい」と考える方は少なくありません。しかし、中には元々エンパシーが高い方もいます。エンパシーが高い人と低い人の特徴は以下の通りです。
【エンパシーが高い人の特徴】
- 集団行動が得意
- 相談されることが多い
- 相手の意見に合わせられる
- 他人に対する好奇心がある
【エンパシーが低い人の特徴】
- 自己中心的
- 優位に立ちたがる
- 思いやりのない発言をする
- 自分と異なる意見を受け入れない
エンパシーが低い人の特徴に当てはまる方は、共感力に乏しいことがあります。場合によっては、知らず知らずに相手を傷つけていたり、嫌な思いをさせていたりすることもあるかもしれません。 エンパシーを高め、人間関係の円滑化を目指しましょう。 ピラティスを体験する
エンパシーを高めるための6つの方法

望ましい人間関係の中で、のびのびと過ごせる環境を手に入れるためには、エンパシーを高めることが大切です。ここでは、エンパシーの能力を向上させるための具体的な方法を6つ紹介します。少しずつでも生活の中に取り入れて、身の回りの状況を変化させていきましょう。
他者と積極的に関わる
できるだけ他者と関わるよう意識することが大切です。さまざまな人とコミュニケーションを取ることで、幅広い考え方や価値観に触れられます。
また一人ひとりをよく観察すると、「本当は苦しいはずなのに、前向きに考えられる人なんだ」「異なる意見も、受け入れる人なんだ」などと新しい一面を発見することもあるでしょう。 相手に対する理解が深まれば、自然と信頼関係が構築されていきます。
傾聴を意識する
傾聴とは、相手の話している内容に耳を傾けながら気持ちを十分に理解しようとすることです。会話の中にある言葉や表情から、適切な返答を見いだす力が身につきます。
【傾聴の際に重要とされているポイント】
- 共感的理解:相手の立場になって、共感すること
- 無条件の肯定的関心:相手を否定せず、肯定的な関心を持って聞くこと
- 自己一致:自分を許容すること
傾聴の際は共感することだけでなく、相手の意見を否定しないこと、多様性を受け入れることも重要です。 また他者と考え方が異なる場合において、「自分が間違っているのでは」などと思わず、自分自身も許容することを心がけましょう。
映画や本で感性を磨く
映画や本でトレーニングをするのもひとつの方法です。登場人物の心情を読み取る中で、言葉に表されていない部分の気持ちを表情や間、声のトーン、前後の会話などから考察する能力が高まります。
【エンパシー向上におすすめのジャンル3選】
- ヒューマンドラマ
- ミステリー
- ラブストーリー
映画鑑賞や読書は自宅でも気軽に取り組めるため、他者と関わる機会が限られている方にもおすすめです。
行ったことのない国へ旅行する
海外に出ると、自分とは異なる文化や価値観を持つ人とたくさん出会えます。勝手に抱いていたイメージや固定概念が揺らぐようなケースも珍しくないでしょう。全く異なるバックボーンを持つ相手に対して理解を深めようと努めることで、自然とエンパシーが高まります。 また、自分自身の考え方の癖に気付くきっかけにもなるため、自己認識力も高まるでしょう。
新しいことに挑戦する
新しい世界に飛び込むということは、共感できる範囲が拡大するということです。期待や不安を感じるなど、さまざまな気持ちが湧き出ることで感情が豊かになります。そうすると、他者が同じような状況になったときに、相手の気持ちをイメージしやすくなるでしょう。
具体的な方法としては以下のような取り組みが挙げられます。特別な条件や決まりはないため、自身に合った方法を探してみましょう。
- 留学する
- 副業を始める
- 習い事を始める
- 趣味を開拓する
- 資格を取得する など
軽い運動を習慣化する
習慣的な軽い運動が、エンパシーを高めるのに有効であることがわかっています。群馬大学共同教育学部の島孟留講師らの研究グループが、健康なマウスを用いて実験を実施したところ、4週間の低強度運動(軽い運動)が共感性を向上させることが明らかになりました。
ウォーキングやヨガ、ピラティスなどの軽い運動に該当するエクササイズは、激しい運動に比べて消費カロリーは低いものの、心身の調和が保たれるためリフレッシュや健康維持に適しています。 エンパシーだけでなく、総合的な幸福感やウェルビーイングを高めたい方にもおすすめです。
参考:『習慣的な軽い運動が共感性の向上に有効 -BDNFの関与とその調節機構の一端を解明-』
エンパシーに関する注意点と対策
エンパシーを向上させるメリットは多々ありますが、一方で共感力が高くなりすぎると振り回されるリスクが発生します。相手の気持ちが必要以上に読み取れてしまうため、「疲れた」「辛い」と感じたり、マイナス思考に陥ったりするケースも珍しくありません。
正しく活用するためにも、普段からセルフケアを心がけましょう。あまり意識していないかもしれませんが、日々の忙しさやストレスの中で、私たちの心と体は知らず知らずのうちに緊張しがちです。そんな時、心身のバランスを整える手段としてピラティスは非常に有効です。好きなことや適度な運動(ピラティスの他に、ヨガや散歩など)に意識を集中させて頭の中をクリアにすると、心身がリフレッシュされます。エンパシーをうまくコントロールできるようにしましょう。
ピラティスでエンパシーをコントロールしよう

エンパシーとは相手の立場に立って、価値観や思想について想像することです。傾聴を意識したり軽いエクササイズを取り入れたりしながらエンパシーを高めましょう。コミュニケーションの円滑化やウェルビーイングの向上など、さまざまなメリットがあります。
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