寒い冬だけでなく、真夏にも悩んでいる人が意外と多いのが、体の冷え。いわゆる「冷え性」の人は、他にもいくつか体の不調を抱えていることが少なくありません。
この記事では、冷え性の人がヨガをすることで得られるメリットと、冷え性の人に効果的のあるヨガのポーズをご紹介します。
目次
なぜ冷え性になるのか
冷え性とは、「体内で血液が十分に循環していない」ことを示す現象です。血液は体内を循環して酸素や栄養素を送り、体温を調整する働きがあります。つまり、冷え性とは体の冷えた部分に酸素や栄養素が行き渡っていないという、体からのサインなのです。
体内で血液の循環が滞る理由というのは、いくつか考えられます。まず血液自体が栄養豊富でないと、体の隅々に十分な栄養が運搬されません。また、血液が通る血管は筋肉や内臓の中にあります。特に筋肉は、人間の体の中で最も熱を発する機関であるため、筋肉を鍛えることで、体温の調節がしやすくなります。逆に筋肉が少ない人は、体温が高くなりにくく、冷え性になりやすい可能性があります。
冷え性に悩んでいる人は同時に肩こりや腰の痛みに悩んでいることが多いのは、これらの原因がすべて血行不良にあるためです。また、貧血の人が冷え性になりやすいのは、血液が栄養不足で体中に十分な栄養と熱が行き渡らないためなのです。
女性に多い冷え性。でも男性も無縁ではない。
冷え性に悩むのは女性が多い印象があります。しかし、冷え性に悩んでいる男性も意外と少なくありません。実際に、20代から40代の男性の4割が冷え性に悩んでいるというデーターもあります。
確かに男性の方が、女性と比べると筋肉量が多いため、体内でより多くの熱を作ることができます。しかし、例えばオフィスで、長時間パソコンの前に座って仕事をしている間、人間の筋肉の7割を占めると言われる下半身筋肉はほとんど使われていません。その結果として足に血液がたまるため、肩や腕などが冷えやすくなります。
加えて空調が強力に効いたオフィスでは、男女関係なく体が冷えやすくなっていますし、また、心理的ストレスにより筋肉が固まってしまい、冷え性になるケースもあります。
こうした状況をみると、現代社会では「冷え性に悩むのは女性」と言うのはもはや過去のもので、働いている人全員が冷え性に悩んでいる可能性があると考えたほうが良いでしょう。
冷え性が心にも影響する?
そして、冷え性は人間の心理にも影響を与えます。冷え性は血行不良であることは前にも述べました。実は血行不良により、生体維持のために必要な各種ホルモンが、体内で生産しにくくなってしまうのです。そして、この各種ホルモンの中には、エストロゲンとプロゲステロンといった女性ホルモンはもちろん、テストステロンのような男性ホルモンも含まれます。
つまり、冷え性より女性ホルモンや男性ホルモンのバランスが崩れ、集中力や行動意欲の低下したり、イライラしやすくなったり、気分が落ち込みやすくなるなどの心理面での症状も現れる可能性があるのです。
冷え性の人に効果的なヨガのポーズ
こうした問題を生み出す冷え性を克服するための重要なポイントの一つが、運動です。運動することで筋肉が刺激されますし、また筋肉が鍛えられることで、血液を体中にスムーズに運ぶことができるようになります。
ここでは、冷え性に効くヨガのポーズを3つ、ご紹介します。
ねじりのポーズ
- 床にあぐらをかいて座る。背筋は伸ばして。
- 右足をくるぶしが左膝の外側に来るようにたてる。
- 左足のかかとをお尻に引き寄せる。
- 左手を真上に伸ばし、左肘を右膝の外側に当てる。そのまま上半身を捻る。
- ゆっくり呼吸して、この姿勢をキープする。
- 反対側でも同じポーズをとる。
合せきのポーズ
- 床に膝を伸ばして座る。
- 両足の小指が床につくように両足裏を合わせて、膝を曲げる。
- 足裏を合わせた両足を体に引き寄せて、背筋を伸ばす。
- ゆっくり呼吸して、この姿勢をキープする。
ダウンドックのポーズ
- 床に四つん這いになる。
- 両手は手は床につけたまま両膝をゆっくり伸ばして、お尻を持ち上げる。背中は伸ばしたままで。
- お尻が持ち上がったら、かかとを床におろして膝を伸ばす。
- ゆっくり呼吸して、この姿勢をキープする
冷え性を克服していつでも健康、そして快適に。
今では、男女関係なく悩む人の多い「冷え性」。克服のためにはヨガがとても効果的です。と同時に、体を温める食べ物を意識して摂取するようにするなど、体の中からのケアも必要不可欠です。
日常的にヨガを取り入れ身も心も温かにして、一年を通して快適に過ごしましょう。